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ホンダが消える 11 アップルも遊びが必要だった 狂気と正気のはざま に次の飛躍が見える

 ホンダが2021年9月30日、「コア技術を生かした新領域へのチャレンジ」と題した未来への技術工程を発表しました。本田技術研究所で蓄えた技術を2030年をターゲットに実用化を目指すそうです。一番興味があるのはeVTOLとロボットですね。ビジネスジェットを成功させたホンダなら、モノにできるはずです。

2030年のチャレンジ、ロボット以外は二番煎じ

 ロケットはもう堀江貴文さんが北海道でたくさん汗とお金を注いでいます。気になるのはホンダの発表がまるで優等生の解答用紙を見るようです。点数は85点採れますね。でも、ロボット以外は二番煎じ。衝撃度が欲しかった。面白いのはホンダがイーロン・マスクを追いかけるように飛び回る移動体や宇宙空間に注力するのに対し、アップルはコンピューターから携帯電話、時計、自動車と生活の身近な製品に接近している点です。

 ベクトルが逆方向です。なぜこんなに対照的になってしまったのか。ホンダとアップルが一緒に手を組めば、今流行している新領域の事業化をすべて包括できるのに・・・。

 ということもあって無理は承知で、ホンダとアップルの経営比較に挑んでみました。こちらはきっと評価45点。高校時代のテストなら赤点ギリギリかな。ホンダをいろいろな視点で眺めのが今は大事な時期だと思いますので。

 切り口は「狂気と正気のはざま」。ご存知の通り、ホンダには本田宗一郎、アップルにはスティーブ・ジョブス、二人のカリスマ創業者がいました。二人の個性をどう評価するかは凡人の私には不可能ですが、技術開発や経営に対する姿勢、世界トップに立つという熱意は熱狂を超えた狂気を感じます。

ホンダとアップルの創業者は狂気と正気を行き交う二人のパートナーが

 おもしろいのは本田宗一郎さんの隣りには藤沢武夫さん、スティーブ・ジョブスさんの隣りにはスティーブ・ウォズニアックさんがいました。狂気に近いオーラを発散するパートナーを自分なりの距離感を持って冷静に見詰め、自らの力を思う存分に発揮する組織を築き上げた人物がそばにいたことを多くのユニコーンと呼ばれる企業が学ぶべき点です

 藤沢武夫さんにお会いする機会はありませんでした。ただ「経営に終わりはない」などの著作、そしてこちらの方が最も大事なことですが藤沢さんの薫陶を受けた”弟子”のみなさんから、一端を覗かせていただきました。もともと美意識が強い個性の持ち主ですから、会社全体の造形に注意をはらい、乱れる方向へ崩れないよう「押す時」「引く時」の呼吸を常に心がけていたようです。

 「(技術系)社長のお目付役として日頃から厳しい姿勢を忘れるな。間違っている時は間違っているとはっきり言うこと」と躾けられたと苦笑される某会長がいました。まさに動と静の創業者二人が表裏一体となってホンダを世界企業に育てたのでした。

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