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ホンダが消える61 やめちゃうの?「アフィーラ」もったいないなあ〜

「ああ〜残念」と呟こうとしたら、口から飛び出てきたのは昭和の罵倒「根性なし!」。心の底からお詫びします。

 ホンダとソニーグループが出資するソニー・ホンダモビリティは3月25日、電気自動車(EV)「アフィーラ」の開発と販売を中止すると発表しました。すでに予約を受け付けており、2026年中に米国カリフォルニア州で納車が始まる段階まで来ていました。価格は8万9900ドルと日本円で1400万円を超える高級車ですが、ホンダとソニーの技術力とノウハウをふんだんに注入しており、割安なEVを前面に出す中国製などと比較にならない魅力を備えていました。

商品化は困難と判断

 プロジェクトを一転させたのは、もちろんホンダが3月12日に発表したEV戦略の大幅な軌道修正。ソニー・ホンダモビリティが発表した理由は以下の通りです。

当初の事業計画策定時にHondaからの提供を前提としていた技術やアセットの活用が困難な状況となりました。この変化を受け、両モデルをこれまでの企画通りに商品化することが困難であると判断し、今回の決定に至りました。(中略) 今後の事業の方向性については、引き続き両親会社と連携し、協議を継続していきます。発売をお待ちいただいていたお客様をはじめ、各ステークホルダーの皆様には、多大なるご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げます。

 直前に「ホンダが消える60 今こそ『アフィーラ』でEVの閉塞感を拓く時」を投稿したから、ぐずるわけではありません。自動車産業史を振り返っても、ホンダとソニーの提携ほど画期的なチャレンジはありません。高性能車、小型車いずれでも高い評価を集めるホンダと世界トップクラスのセンサー技術、映画やゲームでもメガサイズのコンテンツを持つソニーがタッグを組んで、どんな近未来EVを開発するのか。自動車オタクじゃなくても、期待してしまいませんか。

 EV市場が停滞する理由は明白です。開発途上の駆動系やバッテリーは高価になってしまうため、車体価格も高級車並みに上昇。充電施設の不足も加わり、エンジン車に比べて使い勝手が悪い。しかも、米国でEVの売れ行きを支えていた助成金制度はトランプ大統領が廃止し、追い風が逆風に転じています。

 これに対して、好調に売れているハイブリッド車はガソリンスタンドなどエンジン車のインフラが利用できるので利便性は抜群。おもけに燃費も優れていると説明されています。もっとも、実はハイブリッド車もエンジン車に比べて価格が高く、その差額分を相殺するためには20万キロ以上走行しないという試算もあり、一般のドライバーにとっては割高なクルマであることが知られていません。

近未来のEVを先取りしたかった

 21世紀のモビリティにとってハイブリッド車はあくまでも繋ぎ(ツナギ)。そう考えるなら、近未来を先取りしたEVを早く体感したいと思いませんか。

 ホンダはEVすべての生産を中断したわけではなく、一部車種は発売する計画を堅持しています。予約販売する「アフィーラ」なら、確実に収益を計算できるのですから中止する必要はないんじゃないかと思いました。実際、「ホンダはソニーに対し事業継続するかどうかを打診したが、ソニーはホンダの戦略の見直しで事業の継続は困難になったと判断した」と伝える新聞もあります。

 ただ、ソニーの不安も理解できます。「アフィーラ」をホンダに生産委託するソニーはあくまでも電機メーカー。自動車メーカーが戦略転換した不確実性の高いプロジェクトに賭けるわけにはいかないと考えるのも道理です。

再起したとしても、逸する時間がもったいない

 それにしても、「もったいない」。近い将来、「アフィーラ」が再起したとしても、それまでに逸する時間が誠にもったいない。ホンダとソニーにお願いです。「アフィーラ」を一度中止したからといって、二転、三転「やっぱり遂行する」と決断しても、誰も批判しませんよ。未来投資ですから。

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