◆釜島辺の「求職体験記」が電子書籍化発売中

◆釜島辺の「求職体験記」が電子書籍化　発売中

　連載中、多くの読者が好評をいただいたシニアライター釜島辺の「求職セミナー体験記」を電子書籍化しました。「From to ZERO」のサイトを飛び出し、より多くの読者の皆さんに読んでいただくチャンスを作りたいと考え、初めての試みですが電子書籍に挑んでみました。アマゾンなど電子書店で購入できます。価格は７５０円＋税。サイトで掲載した以外の記事も加え、サイトでお読みになった方も楽しく読んでいただけるように編集・加筆しました。

◆下記のアドレスをコピペしてクリックしてください。

アマゾンの電子書店で本書が並ぶ棚にアクセスできます。

https://www.amazon.co.jp/シニアになったら、ハロワへいこう！-リタイア記者の求職記体験記-釜島-辺-ebook/dp/B0C93KNSBX

　　書籍の「はじめから」を以下に引用しました。改めて連載企画の趣旨をお読みいただき、書籍が多くのシニアにとって何かしらのヒントになれば幸いです。

　６５歳を目前に、４０年勤めた会社をリタイアした僕は年功序列主義の恩恵を受けた昭和世代のサラリーマンだった。物価がうなぎ上りなのに賃上げ率は低迷する今のニッポン社会にあって、年金生活者となった僕にはもはや「最低賃金」も「成果報酬型給料」も眼中にはない。だけど往生際が悪いのか、「やりがい」と「社会貢献」が両立する仕事を探してみようと考えた。

　まず失業手当（基本手当）を受給するために公共職業安定所（ハローワーク）に出かけ、必要な求職活動を始めたが、ピンとくる仕事がなかなか見つからず、第二の人生にヒントとなりそうなセミナーの受講を重ねた。そんな日々を「求職セミナー体験記」のタイトルで「From to ZERO」のサイトに回連載（アップデート）した。少しカッコをつければ、「仕事に就かない罪滅ぼしに、せめて同じ境遇の皆さんに参考になれば」と思い立ったのだ。その連載が本書「シニアになったら、ハロワへ行こう！」ーリタイア記者の求職記ーの１～１０章である。

「セミナー受講だけで、お前は本気に働く気があるのか？」と自分に突っ込みを入れ、短期バイトを探して悪戦苦闘した姿をリポートした５本の続編１１～１５章を加えた。

　リタイアして失業手当を受給する立場となってハローワークに足を向けるという体験を綴った類書はあまりなかったとみえ、幅広い世代の、職種も立場も様々な読者から、心のこもった感想をいただいた。中には仕事に就く気配のない筆者の姿を苦々しく思ったのか、「切迫感が足りないぞ」「必死に職探しをしている人に失礼だ」などチクリと指摘する声もあり、その通りだと申し訳なく思った。それでも大多数は、同世代のリタイア組やその予備軍を中心に「参考になった」「身につまされる」「もっと書いて」という励ましと共感の声で、「少しはお役に立てたのかも」と素直に受け止めさせていただいた。

　そのうえ筆者にも参考になる報告が寄せられ、それを「読者編」として紹介した。リタイアと同時にアル中になりかけた夫を「ハローワークに行きなさい」と促し、立派なシニア労働者に再生させた妻さんからの報告と、小学校教師を定年退職して故郷に戻り、親の介護をしながらコンビニで深夜労働する女性の奮闘ぶりで、本書の１６～１８章の３編がそれである。

　さらに興味深いことに、マンション清掃員を雇用する会社経営者から「弊社の清掃員にインタビューを」との依頼が舞い込んだ。ネット連載の体験記に興味を抱いたのだという。シニア向けに求人の多い職種だけに快諾し、現場へ向かった。当事者たちの取材ルポを章に収録させていただいた。

　こうしてラインナップされた各章の冒頭は、シニア世代に元気で働いていただきたいと考え、気鋭のイラストレーター、Ａｉ（あい）さんのカラフルで斬新な挿絵で飾った。写真は筆者が模索する日々の心象風景として撮影したカットから選んだ。

　本書で書いたものはすべて筆者が実際に体験し、聞き取りした出来事だが、当事者に迷惑がかかったり、場所が特定されたりしないよう、登場人物を仮名にするほか、わずかながら手を入れさせていただいた。希望と不安を抱えながら模索する新米老人の姿を参考にしていただければ幸いだ。

　すべての求職者の皆さん、ともに頑張りましょう！　　

　　　　　　　　　　　　　　　シニアライター　釜島辺