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ロサンゼルスを歩いていたら、配達ロボットに出会う 自動運転の社会が始まっていた

 夜8時ごろ、ロサンゼルスの街を歩いていたら、思わぬ出会いが待っていました。配達ロボットです。

 ロボットといっても、体型は四角いボックスタイプ。丸いヘッドランプが白く輝き、人間の瞳のような黒い点がはっきりわかります。移動する様はとても慎重。動きはトボトボと前進するのですが、そのトボトボ感がとても可愛いし、歩行者と衝突する怖さを与えません。

ロボットの名前はシーザー

 そばに近寄ると、じっと立ち止まります。警戒しているのか、こちらが行き過ぎるまで動きません。カメラで写真を撮ろうと立ち止まると、意外にも配達ロボットは再びゆっくりと右に左にちょっと揺れながら前進します。搭載するカメラで人の動きを注視して衝突しないように確認しているのでしょうか。

 ロボット上部をみると、小さなパネルが取り付けられています。「Cesar is on delivery」と書かれ、文字下に「〜〜」と強調していますから、「シーザーは配達中」と理解してよいのでしょう。ロボットの名前は「シーザー」なんでしょうね。

 出会った場所はロサンゼルスのダウンタウン。近所には市役所があり、ドジャースの大谷翔平選手の大活躍で多くの観光客が訪れるリトルトーキョーの近くです。といっても、夜8時過ぎになると歩道を行き来きする人はまばら。周囲の明るさもビルの店舗から漏れ灯りぐらい。

 ロサンゼルスは8年ぶりです。米国のホテル料金や食事など滞在費が高騰しているため、割安なホテルを探していたら偶然にも8年前のホテルの予約が取れました。「シーザー」に出会ったのも、8年前に訪れたレストランの雰囲気を味わうのが目的でした。ゴテゴテした料理をせず、ちょっとした調理で素材を活かしたメニューにハマり、再び訪れたいと考えていたのです。ところが、日本では想像できない物価高騰もあって、このレストランのメニューも手が届かない水準にまで上昇していました。

 せめて雰囲気だけでも味わいたいと考え、散歩したら、「シーザー」に出会ったのです。お目当てのレストランの店前には顧客対応のスタッフが3人立っており、彼らに「Uber(ウーバー)みたいなもの?」と訊ねたら、レストランがウーバーを認めていなかったのか、苦笑するだけでした。

暗い歩道を進むBertha

 翌日もロサンゼルスの夜の空気を吸いたくなり、散歩しました。再び配達ロボットに出会いました。名前は「Betrha」。シーザーとは違うスタッフでした。ボディには「SONIC」と描かれ、音速並みの機敏さをアピールしていますが、もちろんゆっくりと移動します。シャレが効いています。

 街の交差点を渡ろうとするので、どう行動するのか見学していました。人間と同様に歩道で立ち止まり、周囲の安全を確認してから渡り始めます。向こうから5、6人のグループが横断歩道を渡ってきましたが、彼らはちょっと驚きながらもロボットの移動を邪魔することもなく互いに交差しました。配達ロボットの風景に慣れているのでしょうね。「Bertha」も慣れているのか、迷いもせずウロウロしません。結構、しっかりしています。

街中で始まる自動運転の実用化

 「Cesar」「Bertha」の可愛い瞳に魅せながらも、寂しくなりました。日本が大きく周回遅れし、取り残されていると実感したのです。

 日本でも自動運転など最先端技術の開発は加速していますが、トヨタ自動車が静岡県裾野市に「ウーブンシティ」と呼ぶ最先端技術を集めた実験都市で物流やクルマの自動運転などの実証実験を始めたばかりです。トヨタが実証する技術レベルとは大違いかもしれませんが、ロサンゼルスでは電気自動車(EV)が数多く走り回り、自動運転の試行錯誤が続いています。日本ではまだ馴染みのない配達ロボットはすでに実用化して、利用する人間?も違和感なく接しています。

 人工知能、半導体、ロボット・・・。近未来社会を支える最先端技術で日本は「Cesar」の歩みより遅く、とぼとぼと進んでいるとしか思えません。

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