会員制農園 なす、いんげん、トマトの生育と実り、F1並みに加速へ
春夏野菜の収穫が熱くなってきました。
「早く収穫して」と野菜から声がかかります
なす、いんげん、トマトが助走期間を終え、一気に実り始めました。先行して成長してきたきゅうり、ピーマンの実り具合に追いつきます。F1(フォーミラーワン)に例えれば、鈴鹿サーキットの第一コーナーでいったんブレーキをかけたりヘアピンカーブを回ったりする栽培の作業を終え、シケインを抜けたらメインストリートで一気に加速、きゅうりやピーマンを抜き去るイメージです。会員制農園の広いとは言えない区画でも栽培する野菜から「こっちも早く収穫して」と声をかけられます。
40度近い猛暑が続いていました。しかし、服装は完全武装で収穫します。畑まではTシャツに短いズボンと軽装ですが、「さあ収穫」と気持ちを切り替えたら、蚊除けネットが付いた麦わら帽子をかぶり、上半身は薄いウインドブレーカーを着ます。下半身は雨具代わりの薄いパンツを重ね着します。
日焼けを避けるというよりも蚊除けが目的です。野菜畑は収穫までの期間、枝と葉が育っていく過程でいろいろな虫を見かけます。てんとう虫、青虫などは全く気にならないのですが、肌が弱いせいか蚊に食いつかれると痒さが止まりません。夏の時期は朝か夕方に畑に向かいますが、蚊の食事タイムと同じ頃です。足首や腕、首周りで露出している肌を見逃さず食いついてきます。蚊除けのスプレーも使いましたが、効いた感じがしません。蚊取り線香をぶら下げることも考えたのですが、蚊取り線香が燃え尽きるまで畑に滞在するわけではありません。それなら、蚊を寄せ付けない服装と腹を括りました。収穫を終えるとわずかな時間でも汗びっしょり。
収穫の手順を決めていませんが、まずきゅうりを最初にチェック。居酒屋に行ったら「とりあえずビール」みたいなものですね。1、2日であっという間に大きく成長するので、きゅうりが”長ウリ”かズッキーニのような大きさに育つ前に採りたいからです。インゲンもふと目を離すと大きくなっているイメージです。収穫時期には、七夕の短冊飾りや神社の絵馬のようにぶら下がっています。インゲンがもう少し硬ければ、風鈴か金属棒のようにチリンチリンと鳴るんじゃないかなと思うぐらい大量にぶら下がっています。ですから、1本ずつ採るよりも、いんげんの房を握り採る時もあります。
なすは実り始めたら、ド〜ンと来ます
なすはどこまで大きくするか、大袈裟ですが欲との闘いです。なすってこんなに大きくなるんだと驚くぐらい成長します。米ナスも同じで、ド〜ンとでかくなります。以前に白なすや緑なす(あるいは青なす)も栽培しました。白なすはてんぷらにするととてもおいしく、なすの種類によってこんなに味が変わるのかと感動したほどです。
いずれも目新しさもあって一般の流通量が増えているそうですが、炒め物以外に浅漬けやみそ汁などに使い勝手の良い築陽(ちくよう)と米なすを選んでいます。2株しか栽培していませんが、収穫期を迎えると毎日なすを食べないと追いつかないぐらいのペースでどんどん大きくなっていきます。
トマトは青い実から赤く熟すまでの風景が素晴らしい
トマトは青い実になってから熟すまでの風景が好きです。こちらも欲望との葛藤が待っています。トマトとバジリコにオリーブオイルをかけ、バルサミコで引き締める。もう30年間、ほぼ毎朝サラダとして食べています。トマトが青い実から熟すまでが待ち切れません。しっかり育てればもっと大粒になるとわかっていても、ちょっと早いとわかっていても赤みが増し始めたらもぎ取ってしまいます。トマトを見るたびに「まだはもう、もうはまだ」と株式投資の格言を思い出しながらも、結局は丸い実に手を伸ばします。実をクルッと回して採れたら、もう食べてよいと自分だけのルールに従って収穫しています。
とうもろこしは収穫を終えました。北海道で育っているので、「とうきび」は主食です。小さい頃、馬の飼料は北海道米かとうきびといわれましたが、米よりもとうきびの方がうまいと思っていました。
8月いっぱいまで「うまい、うまい」の日々
8月いっぱいは採りたて野菜を毎日食べて「うちの畑の野菜はやっぱりうまい」と我田引水しながら、楽しむ日が続きます。