長い長いきゅうり

「規格外」を食べる、直径5センチ長さ40センチのきゅうりがうまい!

長い長いきゅうり

長い長いきゅうり

普通にサラダに、

長くても刻めば、普通にサラダとしておいしく

 野菜を栽培を始めて7年目を迎えました。プロの農家から文字通り農業のイロハを教えてもらいながら、春から冬にかけて多種多様な野菜を育てる経験を積んでいます。トマトやきゅうりなど身近な野菜をお店で売っているように育てることがいかに難しいかを痛感する一方、収穫間もない野菜のおいしさに感動しています。ほんと感動しますよ。また、さほど興味がなかった野菜が「こんなにおいしいものか」という率直な驚きを何度も経験しました。

一例を恥ずかしながら紹介すると、万願寺とうがらしです。お酒を飲みながら一本や二本を食べたことはありますが、「万願寺とうがらしは口直し程度のこんなもん」とわかったつもりでした。ところが、苗から育てると、実がたくさん増え、大きく成長します。畑は週末に作業しましたので、1週間後に万願寺とうがらしの苗には採っても採っても採り切れないほどの実がなっています。そうなると一度の夕飯で5本から10本以上を食べる羽目になります。

 最初こそ「こんなに食べ切れるか」とうんざりした思いが正直ありましたが、食べ慣れてくるとそのまま生で食べても甘くておいしいですし、軽く炙って軽く塩をかけたり鰹節を散らしたりすると多彩な味わいが分かってきます。いろいろな調理法にちゃんと合わせてくれる柔軟性に気づきました。もちろん、日本酒でもワインでもアルコールを飲みながら、おいしく食べられます。収穫が始まる6月中旬からは一本一本確かめ、食べた時の味を思い浮かべ、夕食時は焼け具合を見ながら味の違いを楽しみ、次回はこう調理してみようと妄想にふける日々です。

 野菜栽培を始めて予想外だったのは収穫量の多さでした。畑の広さは駐車1台分程度。「このぐらいじゃ物足りないんじゃない?」と思っていました。ところが、ところが、です。ほぼ1週間の間隔で収穫すること多かったのですが、一度の収穫量が半端ない。八百屋さんやスーパーの野菜コーナーにある「朝採れ」のフレーズじゃないですが、旬の野菜を取り立てで味わえるのは幸せですが、採れる時期が限られるということは「おいしく食べられる時期も集中する」ということです。

 例えばナス。4月中旬に二株の苗を植え、育てます。6月の収穫期に入ると一度に5、6本は当たり前。天候に恵まれると成長が早いので、次回来た時に収穫と考えるとその次回には巨大なナスがぶら下がっています。本来ならナスを食べるために収穫するはずが、収穫しないとナスに食べられてしまうという恐怖感に追い込まれる気分になります。

 次は当然、冷蔵庫の野菜室を占領しかねない大量のナスをどうやって食べれば良いのかに悩みます。現在NHKでデジタルリマスター版で再放送されている「ウルトラQ」で「カネゴン」ならぬ「ナスゴン」が登場するかのような目眩を覚えます。でも、こんな味付けはどうかと挑戦し、うまくできた時は家族そろって喜びを分かち合います。食卓にぜいたくな時間が続きます。

 素人が栽培しているのですから、見た目が良くない野菜が多いのは当然です。いわゆる規格外の野菜です。例えばきゅうり。晴天と雨に恵まれるとあっという間に大きなります。2021年の今年は「巨大きゅうり」に挑戦してみました。というのも、大きくなり過ぎたきゅうりが他の畑に相次ぎ、料理に使えないと考えて残ってしまったきゅうりが多かったからです。大きさは直径4センチ長さ40センチを超える「巨大きゅうり」です。写真にあるきゅうりの上に四つ折りした新聞紙がありますが、横の長さは20センチ程度ですから、長さは40センチ程度と見た目でわかってもらえるはずです。そのまま廃棄されることが多々あったのですが、今年はもったいないので収穫後に残された巨大きゅうりを多数いただき、食べてみることにしました。そのままで普段のきゅうりのようにサラダや漬物にして食べるのは無理かなと思いましたが、手数を多くかけて調理して食べるなら結局は「食べない方が良い!」との結論と同じなので簡単に食べられる方法を試しました。

用意したのは簡単に酢物を作れるという酢と乾燥した赤唐辛子に赤い胡椒。巨大きゅうりは適当な長さに切り、表皮をピーラーか包丁で取ります。表皮はさすがに硬い。皮をむいたきゅうりは半分に切り、大きな種を取り除きます。この種もさすがに飲み込めない。種を除いたきゅうりは適当な厚さ(自分がこの厚さなら食べたいと思うぐらい)にパッサ、パッサと切ってください。続いてピクルスに使う程度の容器にきゅうりの切片を入れ、簡単に酢物が作れるという酢を容器の半分を満たすぐらいに注ぎます。この後、乾燥した赤唐辛子は2、3本。こちらもお好み。赤胡椒を見た目きれいに見えるぐらいに加えます。これだけです。ちなみにレシピは妻が考えました。でも、私でもほぼ再現できました。

サラダに入れたりといろんな使い方をしましたが、どれもとても気に入り10本程度あった巨大きゅうりは1週間で食べ尽くしました。私も驚きました。「捨てるきゅうりあれば拾うきゅうりあり」とはこのことかと感じ入っています。今は来年のきゅうりの収穫を思い描いています。

 

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