
クリスマスは善通寺のうどん「香の香」ケーキと見た目は同じ、最高にうまい!
なぜか香川県善通寺市のうどんが目の前に甦りました。メリークリスマスのお祝いと思ったら、丸いホールケーキの代わりにどんぶりに山盛りになったうどん。妄想ですから箸を持ってもうどんを掴むことはできませんが、ゴクリと唾を飲み込んでしまいました。
妄想でも唾が出る
今年3月末、ひさしぶりに香川県を観光しました。高松市は何度も仕事で出張していましたから、懐かしさと共に街の発展ぶりに目を奪われました。中心部の高松丸亀町商店街は閉店が連なるシャッター通りとなった時がありましたが、見事に再生した成功例として全国で有名です。ショッピングモールが立ち並び、面白いお店がずらり。商店街を貫く通りや路地を歩く人の流れが途切れません。端から端まで行ったり来たりしながら心底、その再生ぶりに納得しました。
「お店だけでじゃなく定期的にフェスが開催されているので、何度も何度も訪れる」。偶然、知り合った若い女性が教えてくれました。若い世代がワイワイと歩き回り、居酒屋でお酒や名物「骨付き鳥」を楽しんでいるのも頷けます。
もちろん、「うどん県」を自称する香川県ですから、讃岐うどんの人気は相変わらず。人気店は1時間待ちがザラだそうです。
若者に人気があるお店と聞き、「うどんバカ一代」で久しぶりに並ぶ体験を楽しみました。20歳代の若者がどんどん押し寄せて列が途切れません。彼らは待つ時間もエンターテイメント。おしゃべりやスマホで笑いあい、待ち時間の長さを苦にしません。とてもうらやしい。
ようやく店内に入り、注文したうどんをカウンター越しに手に席に座って食べたら、「うどんバカ一代」を実感。麺が胃袋の中でど〜んと腰を下ろした重みを感じます。私のような高齢者にはちょっと堪えますが、幸せな満腹感は何物に代え難いものです。若者が好む理由を腹の底から理解した気がしました。

多くのうどん店を訪ね回りましたが、絶対に再び訪れたいと思ったのは善通寺市の「香の香」。正式な名称は「釜あげうどん 長田 in 香の香」。JR善通寺駅の隣、金蔵寺駅から歩きます。四国霊場札所76番「金倉寺」を横目に見ながら、大きな店舗に辿り着きました。ほとんどのお客さんは車で訪れているのでしょう。広い駐車場はにぎやか。当然、お客さんの列も長く、待ち時間を覚悟しましたが、回転率が良くどんどん列が進みます。
麺はもちろん、出汁も絶品
注文は初めて訪れたお店ですから、お店の屋根の看板に描かれた「釜あげうどん」大盛りをお願いしました。といっても、メニューはうどんと出汁だけ。お店の心意気と自信を感じます。テーブル席に座って店員さんが運んできた大きな徳利に入る出汁を注ぎ、食べ始めました。
これまで食べてきた讃岐うどんとは異次元。麺から小麦粉の風合いが感じられ、食べているのか飲んでいるのか。麺と出汁だけですが、うどんを食べながら、心地よい浮揚感を味わいます。
徳利の出汁も絶品。この出汁だけでどんぶり一杯いけそうです。徳利の姿にも惚れました。日本酒を入れて飲みたくなりました。麺がなくなった後も徳利から注ぎ、こちらもほぼ完食。うまかったあ〜。
見た目はクリスマスケーキと同じと例えたら笑われますが、「香りの香」の釜あげうどんはクリスマスに食べるご馳走にぴったり。四国に行ったら、ぜひ訪れたい。

