手話 再び一年生、気づかなかった風景が聞こえるように
手話講座を受講して一年が過ぎました。コロナ禍で途中、何度も閉講したうえ、予習復習を怠る私自身の怠惰な性癖も手伝って手話の会話力は一年前に比べて1センチぐらい前進した程度。足踏みを繰り返しています。講座の先生による温かいご配慮におかげで今年5月から再び初級クラス、一年生として受講できるはずです。
相変わらず初心者目線のままですが、自戒の念を込めて1年間の”成果”をメモしてみました。あらかじめお断りします。以下の内容で初心者ならではの誤解が多々あるかもしれません、ご承知ください。これから勉強を繰り返すなかで後日、誤りを正せるレベルに辿り着けるよう励みます。
手話に対する勘違いを思い知らされる
手話講座は最初から自分がいかに勘違いしていたのかを思い知らされる連続でした。まず手話は指と手のひらの動きを組み合わせたコミュニケーション術と思い込んでいました。あいうえおの発音と表記を示す指文字のほか、指や手のひらを縦横無尽に使って名詞や形容詞を表現することまでは知っていました。しかし、指や手に劣らず、顔の表情が重要な要素として求められることは全く知りませんでした。
この顔の表情が今も難関です。指文字や手の動きを仮に覚えたとしても、自分の指や手を使って表現することができません。パッと見て同じような表現に映っても、手のひらを相手に向けるのか、手のひらを返して自身の体の方へ向けるのか。人差し指を一本立てるといっても、真っ直ぐ上に向けるのか、相手を名指しするように向けるのか。自分の動作は正しいのか?。
頭の中が???が充満している最中に、先生から「顔の表情は?口、くちびるが動いていません。目が強張ったままです」という指摘を何度も受けました。正直、手話講座の場合、手と指、顔の表情はそれぞれ別人格で動かしているぐらいの緊張感と難しさをいつも覚えます。
目標ですか?NHKの手話講座「みんなの手話」で講師として出演する森田明さんを一度、見てください。あの豊かな顔の表情を。とても、とても、あの感情表現のレベルに辿り着く自信がありません。
もちろん私も日常生活で笑ったり、泣いたりと顔の表情に変化はあります。それは感情表現として無意識に湧き起こるものです。楽しい時は脳から指示しなくても勝手に目尻は下がり口元は上がり、にこやかな表情になります。不愉快な時は目が釣り上がり、口元は歪みます。いつも通りの会話の中で起こるコミュケーションの表現として顔の表情が変化するのです。それは笑わなきゃ、とかしかめっ面しなきゃとか意識して外部に見せる表現とは違います。