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神宮外苑の次は築地、やっぱり三井不動産が手を挙げた 丸の内以外の東京は三井に?!

 やはり手を挙げた。率直な感想です。三井不動産が東京・築地市場の跡地の再開発に名乗りを上げました。

 東京都が募集している築地市場跡地(東京・中央)の再開発事業に三井不動産を中心とした企業連合が応募するそうです。宿泊やレジャー、商業機能を備えた複合施設を建設する計画です。築地市場跡地の再開発参加を表明したのは三井不動産の企業連合が初めて。

小池都知事が構想をぶちあげた築地

 築地市場の跡地は20ヘクタールで、2018年10月に市場が豊洲に移転した後はすっかり更地になっています。都は約70年間、一般定期借地権を設定して貸与します。再開発の条件は、ホテルや国際会議場、1万人規模を収容できる集客施設などの整備を提示しており、銀座にも近い超優良で広大な敷地をフルに活用した東京の新しい顔の創造を期待しています。

 銀座の顔になるかもと話題になっているのが新しい野球場の建設。三井不動産は読売巨人軍がホーム球場として利用している東京ドームを子会社化し、その経営強化策を検討中です。現在の東京ドームは1988年に建設されて、その後は老朽化に合わせて大改修したものの、新たな客層を開拓するためにも移転を含めて新たな建て替え構想が浮上しています。

 東京・後楽園からの移転先として築地市場の跡地はどうか。交通の便はJRや地下鉄の路線が集まる銀座に隣接しており、大規模な人流に問題はありません。周囲には商業施設がふんだんにあります。国内外からの観光客の誘引も期待でき、野球球場との相乗効果は十分に見込めます。東京都は外部の有識者を加えた審査委員会を設けて、2024年3月には再開発の事業者を決定する予定です。

日本橋

都内のビッグプロジェクトは三井に??

 三井不動産は、東京都内で持ち上がる再開発のビッグプロジェクトを一手に収める勢いです。三井不動産の本社がある日本橋では、「日本橋の空を取り戻す」を合言葉に政府などに長年働きかけ、ついに首都高速道の高架橋を撤去して、代わりにを地下を走る自動車道の建設計画が始まっています。

 大量の樹木を伐採する神宮外苑の再開発も同じです。東京・青山の超一等地でありながら、日本初の風致地区に選ばれた神宮外苑に高層ビルを建設する計画です。この地域にはスポーツ施設が集まっていましたが、国立競技場は東京五輪に間に合わせて建て替え済み。既存のラグビー場と野球球場はレイアウトを変えて、これから建設が始まります。商業施設とスポーツ施設の連携による再開発地域の活性化。築地市場の跡地の再開発の青写真を見る思いです。

神宮外苑

 

 三井不動産はかつて東京都の再開発では劣勢でした。東京の顔とも言える東京駅前に広がる丸の内地区は三菱グループが明治の頃から主導してきた経緯もあって、三井不動産が入る隙はありません。再開発の候補地は創業の地であり、本社所在地の日本橋など限られた用地しか握っていませんでした。

 しかし、最近は、日本橋、神宮外苑など政府や東京都が力をいれる案件は三井不動産が落札しています。神宮外苑の再開発では、小池百合子知事と近い森喜朗元首相がラグビーや東京五輪で大きな影響力を持っているだけに、三井不動産に関してもさまざまな憶測が飛び交う時もありました。

丸の内

 築地市場の跡地の再開発は豊洲移転を終えた後、東京都にとっても最大の案件です。小池知事はこれまでも自ら構想をぶち上げるなど、「東京の魅力を大いに高める街づくりを期待する」と積極的に関わってきています。その先陣を切るのが三井不動産となるのか。その具体化の過程で神宮外苑の再開発の時をなぞる様に再び三井不動産を巡る話題が語られるのでしょうか。それにしても三井不動産の事業意欲には脱帽します。

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