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退化するトヨタ「センチュリー」で豊田佐吉商店に逆戻り 佐藤社長は番頭以下?

 トヨタ自動車が退化しています。最高級車「センチュリー」を独立したブランドとして展開する方針を明らかにし、「レクサス」「トヨタ」を凌ぐ最上位ブランドに格付けます。主導するのは豊田章男会長。これまでも自らの求心力を高めるため、創業家・豊田への回帰を強引に推し進めて来ました。100年かけて世界ブランドに育て上げた「トヨタ」「レクサス」を蔑ろにして、トヨタ創始者の豊田佐吉の生誕100年を記念した「センチュリー」を最上位ブランドに設定するとは・・・。世界一の自動車メーカーを率いる経営者としてよりも、商店主の焦りを感じます。

レクサスを超える最上位ブランドに

 センチュリーは1967年、発売されました。デザインより堅牢さを重視、トラックに追突されても乗客の安全が担保できる信頼性がセールスポイント。天皇、総理大臣はじめ企業トップが採用する実績を見れば、わかると思います。

 ただ、トヨタの最高級ブランドは「レクサス」。企業の社用車は最先端の技術と洗練されたデザインに飾られた「レクサス」に人気が集まります。「センチュリー」は安全だが鈍重なイメージが定着してしまい、購入を控える動きが広がっていました。しかも、専属運転手が運転するのが前提ですから、社用車や公用車以外の個人需要はかなり限られます。2023年にはセダンにSUVを加えましたが、テコ入れには程遠いものでした。

レクサスは奥田碩社長が世界ブランドに

 豊田会長が並々ならぬ思い入れを「センチュリー」に抱いているのは知っていました。最上位ブランドへ格上げする布石はトヨタは10月末に開催するジャパン・モビリティショーに向けて展開するキャンペーン。公式サイトでトヨタ、レクサス、センチュリー、Gazoo Racing(ガズーレーシング)、ダイハツのエンブレムを並べていましたが、当初はセンチュリーのエンブレムは左端に配置されていました。

 豊田会長は「センチュリーはそこじゃない」とSNSに投稿。更新された公式サイトでは、センチュリーのエンブレムは中央へ移りました。 豊田会長は「これでOKです。やっぱりセンチュリーはセンターがいい」とコメントするわざとらしい演出が続きます。近く何か仕掛けるのは確実でした。

 ジャパン・モビリティーで公開される「センチュリー」は華々しいオレンジカラーに染まっています。これまでの鈍重なイメージを払拭し、若い世代にも訴求できる超高級車に生まれ変わるのでしょう。

 豊田会長がここまで肩入れする気持ちはわかります。なにしろ、「レクサス」は、最後まで社長就任に反対した憎っき奥田碩氏が世界ブランドに育て上げました。1989年に創設され、まず北米で発売されました。海外戦略を指揮していた奥田専務はホンダが「ホンダ」の上位ブランド「アキュラ」で快進撃しているうえ、ベンツなど高級欧州車に対抗するため、投入を決断。

 1995年の社長就任後、2005年に日本でも発売。ベンツが解体して徹底的に調べるほど高級車の評価を受けました。トヨタを大衆車メーカーからベンツなど欧米の高級車メーカーと肩を並べ、そして世界一の座に就く原動力になりました。

トヨタは豊田家のものではない?

 豊田会長にとって最強トヨタを支える大黒柱ですが、なんとも納得できなかったはずです。創業家の威信をかけても「レクサス」を跳ね返すブランドを最上位に掲げたかったでしょう。それは「センチュリー」しかありません。

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