「カメムシが大発生した年の冬は大雪」野菜栽培で実感した言い伝えの的中率
今年の野菜栽培は夏前から異変が始まっていました。農家の畑を借りて野菜栽培を10年近く続けていますが、いつもなら虫食いに負けずに葉っぱが育つ野菜の葉に食い荒らされる跡が目立ちます。自宅の庭で育てている野菜やハーブも同じ現象が起こっていました。栽培指導を受けている農家さんとおしゃべりしたら、「自分の畑でもそう。大発生しているカメムシにやられている」と教えてくれました。
野菜の被害が例年以上
確かにカメムシが例年以上に多い。朝、畑に行くと葉っぱでよく見つけました。農家さんは「農薬散布するよりは手間ですが一匹、一匹手で取り除くしかないですよ」と苦笑します。
「うわぁ、困ったなあ」。心の声が叫びます。カメムシは掴み損ねたり潰してでもしたら強い異臭を放ちます。自宅の窓の網戸を潜って部屋に迷い込んできた時は、テッシュでそっと掴んで、外へ放していました。結構、駆除に気を遣うのです。
でも被害はムシ(無視)できません。大好きな「万願寺とうがらし」2本を自宅で育ていますが、そろそろ食べごろという時に先にカメムシに食べられてしまうのです。土壌の手入れ不足もあってプロの農家さんほど立派に育てられませんが、夕食時に5、6本収穫して酒のアテとして味わう喜びが奪われるのですから。結構、ストレスが溜まります。
こんなに大発生するのは、なにかの「虫の知らせ」かと思っていたら、長野県の農家さんがニュース番組で「カメムシが大発生した年の冬は大雪になる」という言い伝えを紹介していました。初めて知りました。冬は生まれた時からスキーを楽しんでいますから、スキー場の積雪量が増えるなら、カメムシ被害もちょっとは我慢できるかと思ったほどです。
今冬は暖冬予報のはず?
冬が到来しました。カメムシ伝説は大当たりじゃないですか。11月後半から雪が北海道、東北、日本海側を中心に降り続けており、年末は気象庁が警報級の大雪になると注意を呼びかけています。42年前、北陸の金沢市に住んでいた頃、借りていた家の一階部分が埋まる豪雪を経験しましたが、全国の雪国で排雪で積み上げられる雪の壁がどんどん高くなる風景がテレビで映し出されています。
そういえば、今年の冬は暖冬予報でした。天気予報が最も的確に当たると自負するウェザーニューズは9月20日、2025年2月までの秋冬の天気を予想した際、「今シーズンも暖冬傾向で、秋〜冬にかけて全国的に平年より気温が高い見込みです」と発表しています。冬前半は寒気が入りやすいと予測するものの、冬後半は冬型の気圧配置が長続きせず、平年より暖かくなるとみていました。
カメムシ伝説はウェザーニュースより当たるのか。専門家の解説をみると「カメムシと大雪に因果関係はない」といいます。確かに「カメムシ大発生=大雪」の科学的な証明は見当たりません。しかし、確率論からみればほぼ的中ではないでしょうか。
天気予報は大雑把にいって、晴天と曇天と雨天の3種類を的中することです。雪は気温が下がれば雨が雪に変わるのですから、雨天の一部に組み込んで良いでしょう。言い換えれば、的中率は3割台をキープすれば一流。野球選手と同じ?
カメムシの大発生は毎年、あるわけではありません。10年に1度とはいいませんが、4、5年に一度あるかないか。仮に5年に1度と設定すれば、そこに大雪が発生するまで条件設定を加えれば、確率はかなり低くなります。晴天・曇天・雨天に気温低下、それも上空3000メートル以上でマイナス30度という極低温という条件が必要ですから、カメムシ大発生=大雪の確率は非常に複雑な方程式となります。確率は3割を下回る、きっと1割を切るかなり低い数字になります。
確率として天気予報より正確では?
2024年はその低い確率のなかで「夏のカメムシ大発生で大雪が降る」を的中しました。「言い伝え」はかなり信用できるという証明になるのではないでしょうか。
そういえば、カメムシと豪雪地帯の強い因果関係があることを思い出しました。福島県の南西部、会津地方の檜枝岐村を訪れた時でした。体温と同じ36度の温い温泉に入りたくて宿泊したのですが、その旅館の女将さんから「窓は絶対に開けないでください」と釘を刺されました。その理由は大量のカメムシが室内に飛び込んでくるからです。一度、入り込んだら掃除や駆除の際に異臭を放ちます。旅館は美しい渓流に緑豊かな森林に囲まれているにもかかわらず、窓は固定されて開きません。驚きました。
豪雪地帯はカメムシ大発生
檜枝岐村は日本有数の豪雪地帯です。夏はカメムシが大量に発生するそうです。カメムシ大発生=大雪は、檜枝岐村ですでに証明されていたのかもしれません。長い歴史で継承される言い伝えは、やっぱり信用できるのす。ならば、カッパもいるんだろうなあ。どこかで気づかれないように、こちらを覗いていますよ。