2040年シニア労働の未来、自らサービス需要を創り、自ら働く機会を増やす

 65歳以上のシニアがますます労働力として期待される時代が訪れそうです。リクルートワークス研究所が公表した2040年の労働需給予測によると、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年には企業などで働く担い手の不足が全国で1100万人を超えると予測しています。近畿地方の現在の雇用数がズボっと抜け落ちる衝撃です。

近畿地方の雇用数は消える衝撃

 不足する原因は歯止めが効かない少子高齢化。日本の人口は減り続けていますが、高齢者の人口は2042年まで減少しません。高齢者が増えれば、医療・介護など福祉関連、買い物支援も加わる宅配便など人手によるサービス業の労働力ニーズが高まります。若手を軸にした労働力の供給を前提にすれば、若手の人口が減り続けるわけですから労働需要に追いつかなくなるのは目に見えています。

 その不足分を埋めるためにはどうするのか。2040年には1100万人分以上が不足するわけですから、日本全体で海外からの移民政策の門戸を開いたとしても埋め切れない。そうなれば、定年などで退職した65歳以上のシニアが穴埋め役を果たすしかありません。

シニア自らのニーズを満たすために働く構図

 高齢を迎えたシニアが自ら求めるサービスを賄う労働の買い手になる半面、求められるニーズを受け、サービスする側に立つ売り手になる。買い手と売り手の双方に立ってしまう。なんとも皮肉な構図と一笑に伏す余裕などありません。

 定年や退職などで区切りをつけた65歳以上のシニアの活躍の場が広がるとはいえ、そう簡単に1100万人分の穴を埋めるのは容易ではありません。このサイトで『シニアライター釜島辺「求職体験記」』を読んでいただければ、65歳過ぎのシニアが新たに仕事する課題を身近に実感できるはずです。

労働力不足は18道府県で20%超

 しかも、労働不足の構図は東京と地方で大きな差が生まれます。リクルートワークス研究所によると、東京以外の道府県すべてで不足し、しかも18の道府県で不足率は20%を超えると予測します。地方は急速な人口減少が進んでおり、これに反比例するように高齢者の人口比率が高まっていきます。不足分を埋めようとしても、医療や介護、ドライバーなど技術や経験を必要とする職種が主力になりますから、シニア層から労働力を確保しようとしてもはかなり難しい。

シニアの働き方が大きく変わるかも

 シニアの労働が大きく変わるのは間違いないでしょう。年金の不足分を補うつもりで働こうと考えるシニアが多いと思いますが、2040年の自らの生活水準を守るためにも働かざるをえない状況に直面する可能性は否定できません。

 最近、シニアライフの楽しさをせっかく発見したと喜んでいたのに・・・。なにやら、気持ちが暗くなります。

リクルートワークス研究所の「未来予測2040」はこちらから

https://www.works-i.com/research/works-report/item/forecast2040.pdf

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