北海道がHOKKAIDOに 旭川でもスキーリゾート構想、ニセコ、富良野に続く国際化の波が広がる
北海道がHokkaidoになる日が近づいています。ニセコ、富良野に続き旭川市でも大規模スキーリゾート構想が浮上しています。素晴らしい雪質に豊かな食に魅せられ、世界中から観光客が押し寄せることは日本で最も人口減が進む北海道にとって大歓迎ですが、日本人のスキーヤーにとってはちょっと悲しい。ニセコなどではホテル代やリフト代などのスキー関連はもちろん、不動産価格は飛び抜けた高水準で跳ね上がっています。海外の観光客は円安の恩恵もあって割安感を持って楽しめますが、日本人のスキー客は割高な費用にびっくりするしかありません。北海道がHokkaidoに変貌し、すべてが高騰してしまうなら、日本人はどこで遊べば良いのでしょうか。真剣に不安になってきました。
カムイはパウダースノーが人気のスキー場
北海道新聞の記事によると、不動産会社「北海道グローバル」(札幌市)が旭川市のスキー場「カムイスキーリンクス」周辺でスキーリゾート構想を進めているそうです。この会社は世界的なスキーヤー、三浦雄一郎さんの息子さんで元五輪代表のプロスキーヤー三浦豪太さんが代表取締役を務めています。すでにカムイスキーリンクス北側の30万5000平方メートルを取得しており、2035年までに戸建て住宅やホテルなどを建設する計画です。
カムイスキーリンクスは旭川市からバスで40分ほどの好立地にあります。雪質はパウダースノーで、ゲレンデは広大。雪面を整備しないバーンを多く設定し、外国人に人気が高いツリーランなどをスキーやスノーボードで楽しめるゲレンデです。旭川市に近い旭川空港は富良野へのゲートウェイとして外国人スキーヤーの乗降が増加しており、カムイスキーリンクスで外国人の受け入れ態勢が整えば、旭川市周辺の経済活性化が加速するのは確実です。
ただ、過熱するニセコのスキーリゾート化をみているだけに、正直いって不安です。ニセコは今や、高級ホテルが相次いで進出しており、宿泊代は高騰。10万円台でも驚かない奇妙なインフレが定着しています。リフト代は一日券で1万円台で、ゲレンデ内のレストランはラーメンが数千円。65歳以上のシニア料金は少し安くなりますが、家族でニセコに行けば、軽く10万円は費やします。不動産価格はもう半端ないです。ニセコのスキー場が集まる倶知安町や富良野市の価格はここ数年、値上がり幅が20〜40%台。
宿泊、リフト、食事が高騰しても過熱は続く
この高騰ぶりで過熱感が収まるかといえば、とんでもない。ニセコ地域の宿泊能力はこの8年間で8割も増加していいますが、春までほぼ満員状態。宿泊客だけで倶知安町の人口の2倍に相当する3万2000人を超える見通しです。富良野のホテル事情も変わりません。毎年、宿泊していたホテルの費用は着実に上昇しています。富良野の北の峰ゲレンデをみると、外国人スキーヤーが多く、日本人は中高生らの旅行を兼ねたスキー研修が目立つ程度。
もう10年以上も通っている北海道北部の名寄市のピヤシリスキー場もホームページが英語説明になりました。ゲレンデロッジのレストランスタッフは「お客さんの半分は外国人になっている」と話しています。名寄市は旭川市から特急でも1時間程度かかりますが、旭川市のスキーリゾート構想が具体化すれば国際化の波に飲まれるでしょう。そしてスキー関連の価格も上昇するのでしょう。年金暮らしのシニアスキーヤーはもっと遠くのスキー場を探すしかないのでしょうか。