浪江町に戻った輝き、日本の「地方」も照らせるか (その1)
「わあ、電気の明かりが増えたなあ。街に輝きが戻って来た」。とっても率直な驚きでした。夕方5時前、JR常磐線浪江駅を降りました。夕闇が街を覆う寸前の時間です。明かりがいつも以上に映えて見えます。道を歩く人通りは皆無です。でも、2年ぶりに訪れた福島県浪江町は何かが変わったうれしい驚きがありました。
駅前に「スマートモビリティ」のパネル
駅前のロータリーに立つと、大きさが畳半分ぐらいの映像パネルがあります。パネルの画面には町役場や道の駅などの目的地が表示されており、軽くタッチするとタクシーが駅前に到着して無料で目的地に向かう仕組みらしいです。「無料」の文字に吸い寄せられて詳しく見ると、「スマートモビリティ」とあります。町の要所を無料で送り迎えする実証実験を始めているようです。
「予約してみようかな?」と心が動きます。浪江駅周辺は過去に何度もクルマで訪れているので土地勘はあります。ただその日午後に気仙沼から電車を乗り継ぎ・乗り継ぎで6時間弱かけて到着しました。背中にはそれなりに重いバッグを担いでいます。「タクシーが無料なら頼もうかな」と思いましたが、「街を歩かなきゃ、何が変わったのかがわからない」と思い直し、まずは町役場に行こうと決めました。歩いても15分ぐらいで着く距離なはずです。スマホの地図アプリを参考に歩き始めました。