ポカラを歩いていたら、村上春樹の「世界の終わり」の脱出口を見つけてしまった。ナマステ
ネパールのポカラを知っていますか。ネパールの首都カトマンズから西へ200キロほどにある観光地です。とっても美しいぺワ湖があります。天気に恵まれればアンナプルナ連峰が目の前にそびえ立ち、魚の尾びれに見える山頂が神々しいマチャプチャレが出迎えてくれます。冒頭の写真は早朝、薄い雲が湖上に広がる美しいペワ湖です。
マチャプチャレとぺワ湖の美しさは例えようもないです。
初めて訪れたのは30年以上も前。カトマンズからバスで8時間かかります。そんな遠いポカラへなぜ行こうと思ったのか。正直忘れてしまいました。でも、その魅力に取り憑かれ、もう一度ポカラに向かわなければいけないという思いを消すことができず、数年後に再び訪れています。家族は呆れていました。ちょっと危険ですが「呼んでいる運命」を感じたんですね。
当時、日本からポカラに到着するまでは2泊3日が必要でした。成田空港から飛び立ちバンコクに到着。まず1泊。翌日カトマンズに向かい、そこで1泊。それからバスでポカラへ向かいます。ポカラで1週間弱滞在して再び東京へ戻ります。結構、移動も含めて休みの日数が必要です。会社からの休暇取得にちょっとだけ苦労しました。1980年代です。上司から「よくもまあ〜、そんなに長く休めるもんだ」と皮肉られました。
カトマンズからポカラまでは路線バスが走っています。ガードレールなんてあるわけもない山道を走り、いくつもの峠を越えます。途中、トイレ休憩と昼食で何度か街道筋の集落で停車。
ランチは当然ですが、ネパールの人と同じもの。豆を中心にした惣菜がさらに盛られ、ご飯と一緒に食べます。豆類は大好きなのでパクパク食べてお代わりしたら、同乗していた外国人から「外国人でそんなに食べているのがお前だけだ」といった”激励”されたこともあります。トイレももちろん、洋式便器はありません。
ドアを閉めると電球がないので真っ暗。どこに何を落として良いのかしっかり見極めて入らないと何もできません。水洗ってなわけはないので、身を入れたバケツを持参して入ります。ドアが無いトイレもありました。
和式スタイルでするので、お尻を外側に向けるわけにはいかず、顔はトイレの外側に向けて座ります。私がトイレに向かった時、若い外国人の女性がこちらに顔を向けて座っていました。思わず目と目があってしまったのですが、彼女はちょっとだけ恥ずかしそうな表情を見せた後、ニコッと笑い返してくれました。「こんな空気、良いなあ」と思ったものです。