ポカラで村上春樹の「世界の終わり」の脱出口を見つけてしまった。ナマステ ②
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ビートルズは姉から教えてもらい、それが音楽を選ぶ基準に
「ノルウェーの森」はビートルズの有名なヒット曲です。ビートルズのデビューは1962年ですから私は7歳の頃です。でも、ビートルズは私にとって音楽の基礎です。
なぜって7歳上の姉が大ファンになってレコードを買いまくり、いつも家で曲が流れていました。それは私にとって好きな音楽かどうかを選ぶ基準になっています。今も自宅にありますが、ビートルズのレコードは「Odeon」ブランドです。「Apple」になってからは当然「Apple」ですがほとんどは「Odeon」。我が家の数少ない自慢です。
曲「ノルウェーの森」は前奏のメロディの入りから好きで、小さいから馴染んでいました。なぜ「ノルウェーの森」が村上春樹の小説で最初に好きになった理由は何かと考えたら、書籍カバーの緑と赤の色合いに惹かれて購入したこともありましたが、やはり小さい頃から耳に馴染んだ曲が通奏低音のように流れた小説が村上春樹の馴染みにくいストーリー展開を好きさせてくれたのだったと今思います。
そして小説では蛍が結末を象徴させる存在として登場します。
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ぺワ湖畔にホタルが群舞
ポカラの最初の夜、ゲストハウスを出て散歩します。私は街を知るには歩くのが一番良い方法と信じています。ぺワ湖畔に向かって歩くと、ホタルが数匹飛んでいます。
ホタルの光に導かれるようホタルが放つ濃い輝きの方向へ歩いていくとどんどんホタルの数が多くなります。歩いて10分ほどの湖畔にたどり着くと、まるでLEDランプのように無数の輝きの塊が見えてきます。日本にホタルの名所が多くあると思いますが、光の塊になって見えるようなホタルの里はないと断言できるほどの凄さです。
さらにホタルは次第に渦巻いて上昇するかのように大木を包み込んでいきます。まるでクリスマスツリーのイルミネーションのようです。ホタルの輝きで樹形が三角形に見えるんですから。幻想的な世界という表現では収まりません。ホタルってこんなにいるの?という驚きです。ぺワ湖の湖畔周辺には電灯はほとんどありません。
あたりは暗闇です。周囲に人はいません。私一人です。空を見上げます。無数の白砂をばら撒いたように輝く真っ黒な星空があります。その夜空に向かって数えきれないホタルが舞い上がっていきます。天と地が一体になったと感じだ瞬間でした。