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ドジャース翔平誕生のインパクト、LA詣が海外旅行の巨大コンテンツに

 米大リーグの大谷翔平選手がロサンゼルス・ドジャースに移籍します。2023年は日本人初のホームラン王に輝き、2度目のMVPを受賞しました。ドジャースとの契約は10年で総額7億ドル。日本円で1000億円を超え、世界のスポーツ選手として過去最高の金額を記録しました。2024年の大活躍も期待していますが、ここで注目したいのは旅行業界にとって巨大なコンテンツの誕生です。2024年のスポーツ観戦ツアーとしてトップクラスに躍り出ます。コロナ禍を乗り越え、客足が戻ってきた旅行業界にとって、すでに「ビッグ・フライ、オオタニサン」を目撃している気分でしょう。

旅行業界に「ビッグフライ、オオタニサン」

 もちろん、これまでも大谷翔平のプレーを観戦するツアーは人気を集めています。旅行会社を訪れれば、ツアーのパンフレットが束になって紹介されています。NHKのBSで放送されるエンゼルスの試合を視聴していると、日本人旅行者の姿が映し出されます。

 2024年は、1000億ドルプレーヤーという過去にない話題性が加わります。ロナウド、メッシ、ネイマールなど世界的なサッカー選手の巨額な年棒に驚いていましたが、大谷翔平選手の契約金額は軽く上回ります。年間100億円を稼ぐスポーツのプレーの凄さとはどういうものか。誰もが自分の目で確認したいと思うはずです。

 しかも、新たなドラマが加わります。2023年の右肘の手術で2024年は打撃に専念し、ピッチャーとの二刀流は2025年からというスケジュールとなっています。二刀流でMVP2度を受賞したアスリートが打撃に専念したら、どんなバッターになって目の前に現れるのか。見たいと思いませんか。そして期待通り、素晴らしいバッティングを連発し、大リーグのプレーオフ、ワールドシリーズでもプレーしたら、2025年への期待はさらに高まります。

二刀流の進化を目の前で見たい

 緻密な研究を重ね、ミスを解消しながら、プレーの質を高める大谷選手です。2024年に打撃力と技術をさらに磨きながら、投手としての準備を整えているはずです。当然、2025年に再登場するバッターとピッチャーを同時にプレーする二刀流がどう進化するのか。「大谷翔平」というコンテンツは、2024年からどんどん進化し、まだ誰も目にしたことがないアスリートの領域を切り拓く風景を映し出すのです。

 すでに2023年でも米国、日本はもちろん、海外でも大きな注目を集めています。ドジャースは来シーズンの開幕戦を韓国ソウルで開催します。韓国、台湾は野球が日本に負けないほど高い人気を集めていますが、大リーグのMLBが野球を広める世界戦略の一環です。大谷翔平人気がアジアでもっと高まることが予想されます。

 日本はじめアジアなどから米国ロサンゼルスに向かう旅行需要に火がつくのではないでしょうか。コロナ禍で旅客需要が大幅に減少していましたが、2023年に入って回復傾向が鮮明に現れています。

コロナ禍収束で需要は回復へ

 最大手のJTB の2024年3月期中間期の連結決算をみると、売上高は前年比32%増の5100億円、営業利益は87億円、経常利益は120億円、純利益は61億円となりました。前年同期はいずれの利益項目で赤字を計上しており、中間決算で営業利益が黒字転換したのは4年ぶりです。HISの2023年10月期中間決算も好転しています。売上高は前年比50%増の1029億円。営業損失は34億円、経常損失は36億円、純損失は48億円といずれも赤字が続いていますが、赤字幅は大幅に縮小しています。

 旅行需要の回復について、JTB の山北栄二郎社長は「海外旅行の本格的な回復は道半ば」、HISの矢田素史社長は「トンネルの出口が見え始めた」と慎重な見方を変えていませんが、先行きに明るさを見出しているのは事実のようです。

早くプレーを目撃したい

 1000億円プレーヤー、大谷翔平選手の活躍がコロナ禍を乗り越えた旅行業界にどのくらいのインパクトを与えるのか。きっと予想以上の結果を航空・旅行業界に与えると考えています。ドジャース・スタジアムで早く大谷選手のプレーを見たいと思うのは私だけではないしょう。

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