会員制農園スタート 育てるのは野菜か自身のユートピアか
梅が咲き、桜花の芽が膨らみ始めました。
会員制農園も今年最初の鍬(クワ)が入りました。まずじゃがいもからスタートです。種いもを植えます。いつも通り「キタアカリ」と「インカのめざめ」の2種類です。「キタアカリ」は粒が大きいですし、ホクホク感が楽しめるので、いろんな調理に使えます。「インカのめざめ」は原産地の南アメリカから由来しているせいか、小粒ですが甘くておいしい。じゃがいもはたくさんの種類がありますが、個人が片手間に育てるのですから味わいや調理法の変化を楽しむ目的を考えたら、この2種類はちょうど良い選択かなと思います。インカのめざめはかなり好きな品種です。
種いもの植え付けは簡単。芋の芽を基準に切り分けて、切り口の表面に草木を燃やして作る炭の粉を付けます。ペタッという感じですか。植える土地に鍬を入れて、深さ10センチほどの溝を掘り込みますが、横からの断面は長方形になり、溝の壁沿いに種いもをある程度の間隔を置いて並べていきます。種いもに軽く土を被せ、両脇に配合肥料と鶏糞を小さなスコップ一杯ずつサラリと放り込みます。あとは鍬で掘り起こした土をもう一度に元に戻す感じで種いもにどんどん土をかぶせていきます。その後は芽が生え、茎がどんどん太く成長していく生育に合わせて周囲の土を中心に集めたり追肥したりと作業がありますが、じゃがいもはしっかりと育っていき、初夏にはおいしいじゃがいもとして食卓に並ぶことになります。
毎年同じ野菜を育ててでも、手順がまだ不明
野菜のスケジュールは種まき、途中の手入れ、収穫などそれぞれを指導を受ける農家さんが決めており、毎回の作業時に野菜の育て方、鍬など農具の取り扱い方などの注意事項を説明してもらえます。今年でもう8年か9年に入りますが、忘れていることが多く、毎回プロとアマチュアの差を痛感します。
マルクスの「資本論」では生産に要する労働時間が価値を生むのだと説明します。確かにプロは農作業を通じて価値を生みます。しかし、私のように常に野菜を食べることだけを楽しみにしているアマチュアの初心者レベルは自分自身と家族に対する価値を創出できればラッキーで、他の人々に創造価値を感じさせることは稀ですね。収穫した野菜を食べきれずご近所さんにお配りしても、見映えがそんなによくないものもあって逆に「何をお返しに渡せれば良いのか」という余計な気苦労を与える迷惑になっているかもしれません。