日本経済への大谷翔平効果 「真摯に、努力」が政府、企業に伝播するか

 米国の野球少年はきっと努力している。5年後、米国の野球、そして大リーグは大きく変わっているのではないか。

野球少年の目の輝きが変わる

 大谷翔平選手の活躍をほぼ毎日、みているとそんな予感が確信になってきました。それは尋常じゃない。ダブルヘッダーの試合の時、第一試合を1安打完封した後、第2試合でホームランを2本打つ。すごい!。

 投手として登板した次の試合でも4回まで投げ、指などの痙攣で降板した後、申告敬遠で一塁に行くと、すぐに盗塁。バッテリーは予想もしていないかったのでしょう、キャチャーからの送球は外れ、余裕のセーフ。打者がセンター前にヒットを放つと、大谷翔平選手は本塁を走り抜けていました。投手が盗塁するのもめったにない珍しい風景であるにもかかわらず、ダイヤモンドを回るならカモシカよりも早いであろう走塁力で塁上を駆け巡る。すごい!すごい!。

 八回裏、まだ1点の僅差しかない場面で、大谷翔平選手が打席に立ったら、誰しもがホームランを期待します。本人もその表情からホームランを打つ宣言しています。投手が追い込んだカウントで投げ込んだボールが絶好球と見えた瞬間、そのボールは痛烈なライナーとなってホームランに生まれ変わりました。すごい!すごい!すごい!朝ドラ「あまちゃん」なら「ジェ、ジェ、ジェ」と三つのジェの感動です。

「リー、リー」の声が蘇る

 テレビでもうひとつ目を奪われるのは大谷翔平選手の活躍を見る子供たちの姿です。最初は驚きの表情がほとんどでしたが、大谷翔平選手の野球に対する姿勢に見入っています。彼の所作は野球の基本中の基本を再現しています。ひとつひとつを大事にし、気を抜くことはしません。当たり前といえば当たり前ですが、なかなかできることではありません。球場でその一挙手一投足を直近に感じる少年少女たちは、あの大谷翔平選手でも守っているのだと教えられているのです。

 感動した場面があります。数年前、ようやく二刀流が本格的に機能した頃、三塁上のリードを見た時でした。何気なく立っているなんて微塵もありません。いつでもホームに駆け込むぞという走る姿勢を見せ、両手で投手を牽制します。少年野球の頃、三塁コーチが「リー、リー」と三塁ベースからリードする間隔と呼吸を指示する声が蘇ってきました。

 米国の野球少年、少女たちは今、大谷翔平選手のイメージをいつも頭に思い描いて練習し、試合に臨んでいるはずです。かならずプレーの質は上がり、結果も出てきます。もっと野球がおもしろくなり、できなかったことができるようになる興奮を覚え、さらに努力します。彼らが高校生、大学生、プロへと成長すれば、米国の野球はかならず数年後に変わります。凄いチームが登場するはずです。

日本は政府も企業も基本を置き忘れ

 そう思うと日本は? 野球じゃありません。政府も経済も基本中の基本を守る努力をしているのでしょうか。マイナンバーカードの登録情報の誤入力、健康保険証の一体化など冷静に考えれば、ミスが起こっても不思議でじゃないことがわかるはずです。マイナンバーカードが百万単位で急増すれば、登録業務がパンク寸前に陥ることは目に見えています。誤入力を防ぐ確認システムが機能していたのでしょうか。現場は無理とわかっていても、大臣や上司がやれっと言ったからやっているだけという声が聞こえてきそうです。

 企業経営も同じ。ビッグモーターの社会常識から逸脱した社長や副社長、そのビッグモーターと不透明な関係を深めた損害保険大手、東芝のように不正な利益操作を指示したり経営再建よりも自らの利益を優先する経営陣。「他人をごまかして利益を稼ぐことはやめましょう」。内部告発があっても無視する経営陣。企業経営の基本はどこかに置き忘れてしまっています。

 日本の経済力が世界から取り残されているのも肯けます。基本をしっかり実践できなければ、成果があがるわけがありません。素振りの練習をしないで、ホームランを打つ練習を繰り返してもヒットも打てません。ビッグデータが流行ればビッグデータを連呼し、生成AIが良いとなればビッグデータのことは忘れたかのように生成AIを連呼する。海外から借りてきても、日本の本当の実力がつくのか疑問です。

生成AIよりも素振りの練習から

 日本経済は原点の少年野球に立ち返って基本の素振りの練習から始めましょう。そしてみんなで「リー、リー」と声がけして全員野球する気持ちを共有し、経済、企業の活力を取り戻したいです。少年野球って楽しいんですよ。

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