65歳から始めたメディアサイト😭⑨ 愕然!アドセンスに記事のセンスがないと諭される

 「怖いもの見たさ」

 広辞苑によると、「こわいものは,かえって好奇心を刺激されて見たくなる」。素人が手を出してはいけないとわかっていても、手を出したくなる。誰でも、こんな経験がありますよね。

 サイト制作を始めて半年が過ぎました。原稿を書き始め、満足する出来とはほど遠いものの、記事の本数は増えてきました。サイトの全体デザイン、レイアウトもなんとなく方向性が見えてきました。アクセス数を心配するなんて論外。WordPressのダッシュボードに示される統計数字は見ていませんし、まともに見たら心が傷つきます。

原稿が読まれる怖さが消えない

 なによりも、原稿を読まれる怖さが消えません。新聞記者の現役時代は「特ダネだあ〜」と勝手に気合をいれて、ガンガン原稿を書き、新聞の1面トップはじめ関連面、企画連載、さらに専門紙などに掲載してきました。1日に4、5本書くなんて日常茶飯事。

 ところが、自分自身のサイトに原稿を掲載することに恐怖を覚えるのです。嘘・偽りを書いているわけではないのですが、独り善がりな原稿を書いているのではないかという不安が消えません。新聞社時代は、若手に対し「記事は毎日、取材を重ねた結果。自身の日記を新聞を通じて読者に伝えるものだ」と話していたにもかかわらず、今になって「日記を他人に読ませるなんて」という迷いが生まれ、読んで欲しいのだけど読まれると怖いという奇妙な心境に陥りました。

 しかし、根は新聞記者です。読まれてないのはわかっていても、サイトの手応えが何か欲しい。とにかくサイトとしての骨格、イロハを確認したい。指導を受けながらサイトを設計し、制作を進めるのが賢い方法と理解はするのですが、無謀にも独力でサイト制作する道を選んだのは、他人に頼っていては結局、ネットの世界を知る機会を失ってしまうと考えたからです。

ふと審査を応募する気分に

 「グーグル・アドセンスの審査を受けてみるか」。ふと思いつきました。グーグルといえば、ネット検索を支配する存在。ネット検索の勉強をしている過程で、グーグル・アドセンスという広告サービスをあることを知ります。クリック数などで広告料金を稼げる仕組みです。

 月額100万円を稼いでいるという記事もあります。ほんの一握りの成功事例に惹かれることはありませんが、可能なら原稿料を払ってコンテンツを増やせるようにはなりたい。「せめて10万円は欲しいなあ」とかねて考えていました。サイト、検索などネット世界の勉強と試験にもなり、うまくいったら月10万円を手にできるかも。一挙両得、一石二鳥、濡れ手に泡・・・

合格すればサイトとして一丁前に

 グーグル・アドセンスはグーグルの審査に合格すれば、開始できます。ネット検索して調べても、審査や合否の詳細な内容は公開されておらず、何をどうすれば良いのが正直、よく判明しません。当時の自分自身のサイトは原稿を掲載して、それなりのレイアウトで公開しているレベル。記事本数は100本以下ですが、読まれている記事も現れ、見た目の格好はついていると思い込んでいました。審査を合格すれば、サイトとして一応、一丁前とのお墨付きをグーグルからいただくことになります。

 グーグル・アドセンスの審査を申し込むをクリックしました。その時は気楽なもんです。何回か繰り返せば、だんだん要領がわかり、その問題を解く勉強を重ねれば合格できると考えていました。物事、良い方にしか考えない楽観的な性格です。

 審査応募後、なしのつぶて。なんの変化もありません。突然ネット検索が増える日があるのですが、こんなに読まれるはずがない。検索ロボットが訪れているぐらいにしか受け止めていませんでした。

 1ヶ月以上過ぎてグーグルからメールが届きます。まだ不備があるので審査を通りませんという内容で、これは予想通り。問題点がずらりと列挙されています。審査に対する回答例なのでしょう。法律的な見地からみてもしっかりした内容なのでしょうが、無味乾燥で文字列を見ている印象です。不備な点を一つ一つ確認しますが、どれも納得します。未熟なサイト設計であることが思い知らされます。

「価値のないコンテンツ」思い知らされる

 衝撃の文字を見つけます。「情報として価値のないコンテンツ」。確かにつまらない記事かもしれませんが、ここまで明確に指摘されるとグウの音も出ません。別の情報源からコピーしたという下りもあります。

 30年間以上も原稿を書いてきました。無駄な歳月を重ねただけと言われたらおしまいですが、新聞などに数え切れないほど記事を掲載し、書籍を出版したこともあります。それなのに「価値のないコンテンツ」。無茶苦茶、滅入ります。

 審査の応募でクリックした時ののんびりした気分はどこかに吹き飛び、サイトのコンテンツを考え、悩む日々が始まりました。

ルナパークに迷い込んだよう

 オーストラリアのシドニーにルナパークという遊園地があるのを知っていますか。ディズニーランドやユニバーサル・スタジオのような豪華絢爛なテーマパークとはほど遠い古典的なエンターテインメントを楽しめます。懐かしい遊具と戯れ、子供の頃を思い出します。

 グーグル・アドセンスの審査・合格までの道のりは、ルナパークに迷い込んだ気分と同じでした。ネットメディアという迷路に何気なく入り込んでしまい、出口まで迷いに迷います。でも、全く気づかなかったサイトを制作する楽しさを経験させてくれます。

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