目撃・ヤンキース優勝、ファンのアツが凄い!野球の歴史と10人目のプレーヤーを実感

 ニューヨーク・ヤンキースの優勝を目撃しました。舞台は最高。9月26日、球場はヤンキースタジアム。相手はボルチモア・オリオールズ。アメリカンリーグ東地区でヤンキースと優勝を競っています。ヤンキースの投手は大リーグでトップクラスのゲリット・コール。7回途中まで被安打2、失点0の好投。変化球の曲り具合が凄い。遠目から見ても、ボールが打者の肩当たりからストンと落ちるのが分かりました。マウンドを降りる時、観客はスタンディング・オベーション、拍手で称えました。コールはキャップのツバに手を添えて応えます。格好いい!

全ての願いが叶う幸運に

 大リーグを代表する本塁打王のアーロン・ジャッジは58号2ランを放ち、ソトやスタントンら強打者も大活躍。ゲームは10対1と圧倒的な強さを見せて優勝を決めました。初めてヤンキース・スタジアムを訪れましたが、「これは見たい」と思ったことは全て願いが叶うなんて。とってもラッキー!

ヤンキースタジアムの入場ゲートを抜けると、球場に併設するバーに直行

 そんな感激をさらに熱くしてくれたのが力強いファンの応援。なにしろ、アツが凄い!。スター選手が揃うヤンキースですから選手が放つオーラに魅了されるのは当然ですが、その選手を上回るエネルギーをファンの皆さんが発散しています。

 ゲームが開始する2時間前からスタジアム周辺にはファンが集まり、入り口そばに併設するバーはすぐに満員。隣のヤンキースのアパレルやグッズを販売するお店も多くの人が詰めかけていました。ビールを飲もうと思っても、バーのスタッフに声をかける間が無い。一度、外に出て小さな屋台にお願いするしかありませんでした。

 意外だったのは、入場ゲートのセキュリティ。昨年、西海岸のシアトルでマリナーズとテキサス・レンジャースの試合を観ましたが、中身が見える透明なバッグ以外の持ち込みは許されませんでした。大リーグ観戦の初心者でしたので、通常のバッグを背負っていましたが、至る所で注意されてバッグは球場外の有料ロッカーに預けさせられました。ところが、ヤンキースタジアムはセキュリティゲートでしっかり検査することもあって、透明じゃないバックを持ち込んでいるファンが結構います。シアトルとニューヨークの土地柄の違いなのでしょうか。

ファンのボルテージは上がるばかり

 ファンのアツは試合が開始すると、一気にボルテージアップします。勝てば東地区の優勝が2年ぶりに決まることもあり、観客席は満員。「レッツゴー、ヤンキース」の合唱というか、雄叫びが球場のあちこちから飛び交います。球場内のカメラが観戦する家族やグループを次々と大型バックスクリーンに映し出し、画面に登場するたびに観客席の体感温度は熱くなります。

 得点のチャンスになると、熱狂度はさらにアップ。ツースリーのフルカウントに追い込まれたオリオールズの投手にに対し、ファンが雄叫びですごい圧をかけます。可哀想に?投球はボールでファーボール。選手とファンが一体となって得点を重ね、勝利を確実にしていく様子を肌で感じ、ファンをグラウンドで闘う9人に続く10人目のプレーヤーと呼ぶことに納得です。

 昨年観戦したシアトル・マリナーズの試合もワイドルカード進出をかけた重要な戦いでしたが、空気はなんとなく和やか。ファンの多くは家族や友人らで楽しむ雰囲気が漂っていました。勝敗、プレーの結果にうるさいと言われるヤンキースファンの気質に再び納得してしまいました。

名選手のオマージュが球場内に

尊敬するゲーリッグに思わず涙

 勝利へのこだわりはチームの歴史の差でしょうか。ベーブルース、ルー・ゲーリッグら大リーグの歴史を彩る名選手を輩出しています。スタジアム内には彼らのオマージュが多く展示されており、球場内をぐるりと回ると野球草創期から現代までのレジェンドが待ち構えています。

 小学校の頃から野球に没頭し、ルー・ゲーリッグ、タイ・カッブの打撃を本で読み、真似していました。とりわけ守備が同じ一塁手のゲーリッグはあこがれのヒーロー。スタジアム内に掲げられたフラッグを見て思わず涙ぐんでしました。

 スタジアム観戦のもう一つの楽しみは食事です。シアトルは美味しいクラムチャウダーを満喫しましたが、ヤンキースタジアムはバケツ一杯のフライドチキンとポテトがお勧め。価格は確か25ドル。チキンは20本以上あったと思いますし、バケツの底にはポテトが埋め尽くされています。上げ底なしです。ニューヨークはびっくりするぐらい物価が高いですが、食べても食べても無くなりません。絶対に日本よりも割安です。このバケツを抱えてビールを飲む男性がなんと格好よく見えたことか。ファンのパワーが違うのも当たり前。

ヤンキース優勝をマウンド上で祝う

フランク・シナトラの「ニューヨーク、ニューヨーク」を合唱

 優勝が決まった瞬間はちょっと拍子抜け。日本なら胴上げのシーンが浮かびますが、大リーグはマウンド上に集まってみんなで喜び合うぐらい。ヤンキースタジアムにフランクシナトラの「ニューヨーク、ニューヨーク」が流れ、みんなと一緒に歌い始めたら、優勝を目撃した感動と幸運を実感できました。観戦日は前日に日本を出発し、到着したその日の夜です。13時間の時差もあって猛烈な眠気に襲われるはずでしたが、興奮で全く眠くありません。フランク・シナトラが歌い上げるように「a part of New York」と心で叫んでいました。

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