65歳から始めたメディアサイト⑤ とにかく👆クリック、開けて😵 え、原稿が・・・

 WordPress。「聞いたことがあるなあ」まるでカラオケの薄暗いブースの中で昭和の歌謡曲を探している気分でした。サイト制作の第一歩は文字通り、暗中模索でした。

五里霧中から暗中模索へ

もともと用意周到とは縁遠い人間です。入門書を参考にしましたが、パソコンやソフトウエアはとにかくクリックしてどういう反応するのかを見ながら、習得するしかないと割り切っています。契約するサーバーを決めた後、入門書の手順に従って進み、初めて管理画面というモノがあることを知ります。管理画面は本来、ユーザーが使い回すためにあるのです。ところが、知識と経験が不足している初心者にとっては、訳も分からず振り回される怖い存在でした。もしWordPressが話せるなら、どう操作して分からずに息を呑んだままの初心者に「10年早いんだよ」とあしらわれるのでしょう。

 なんとかサーバー会社の管理画面をクリアしたら、いよいよWordPressをダウンロードします。再びおっとり刀で向き合います。とにかくクリック。何が出てくるのかを確かめて、沈思黙考して画面を閉じます。開けては驚き、何をして良いのか管理画面の意図が読めず閉めます。この繰り返し。

管理画面の用語がチンプンカンプン

 なにしろ管理画面左に上から下まで縦にずらりと表記される語句の意味がわからない。ダッシュボードはまだ雰囲気からわかります。カテゴリー、タグもなんとか。キョトンとしたのはメディア。新聞、テレビで働いていただけに、メディアといえばマスコミを意味します。メディアは記録媒体の意味があるので、WordPressのメディアは写真など画像をさしているのかと推測しましたが、コンテンツとどう連携するのかが想像できない。そしてSEO?長年、新聞社で企業取材していた経験からCEOは見たことがありますが、SEOはお初にお目にかかります状態。最後にテーマ。サイトを制作する骨格となるものです。その重要性と使い方を理解するにはコンテンツをはめ込む必要がありました。

 とにかく、わからないことだらけ。WordPressに詳しい人間に質問すれば良いのですが、せっかく「自分の思いを映し出すサイトを創ろう」と決断し、スタートしたのです。できるだけ自分独りで努力してみよう。他人の力を頼ったら、これまでと何も変わらないじゃないか。根拠のない成算に立って、キーボードを叩き続けます。

 「挫けない心」「折れない心」とお経のように繰り返しながら、あらゆる所をクリック。次にどんな画面が広がるのかを確かめます。幸いにも小さい頃から複雑に絡み合う知恵の輪のような遊びは好きでした。クリックの回数を重ねるごとにWordPressとテーマが織り込むサイトの構造がほんの少し頭の中で描けるようになってきました。

一瞬でも「なるほど」と閃いたら、クリック攻撃

 「なるほど!」と閃いたら、こっちのもんです。発見したと思った突破口から手探りで奥へ入り込み、WordPressやテーマの重層構造がぼやっと見えてきました。もちろん、勘違いの連続です。1週間ぐらいはクリックしては驚き、訳がわからずに振り出しに戻る日々を過ごしました。

 しかし、毎日触り続けていると、A→B、C→Dという流れがわかった気がしてきます。コンテンツをはめ込めば、何がどう変わったのかわかるはず。いつまでも同じサーキットをグルグル回っていても風景は変わりません。WordPressは原稿などコンテンツを投稿して初めて姿、形を変えるのだと確信します。

 暗中模索から希望の光が見える。そう信じて、WordPressを触り始めて2週間ぐらい過ぎた頃、原稿を書き始めました。新聞記者の現役時代を離れて10年以上は過ぎていました。この間は文章は書いていますが、会社の業務などが主たるモノです。全く知らない人に読ませる文章ではありません。社内の勝手知ったる相手に伝える内容がほとんどです。

次は原稿を書いてさらに前進と思ったら、後退せざるをえない事態に

 久しぶりに自分の文章を書けると喜んだのも束の間。キーボードを打つ指と手が動きません。現役時代なら、パソコン画面を見ているだけで書きたい文章が浮かび、指が勝手に動き始めます。指がおしゃべりしたがっているのを我慢しろと自制する時があるほどでした。

 ところが、指も脳味噌も動かない。WordPressを前に、自分自身の言葉が圧縮されていることに気づいたのです。サイト制作の技術的な問題を解決するよりも、自身のコンテンツ創出能力に自信を失ってしまったのでした。パソコン画面を見ながら、「close」という文字が見えた気がしました。

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