• ZERO management
  • カーボンニュートラルをZEROから考えます。

スズキ・ダイハツがトヨタを抜き去る日 EV時代 のクルマ造りを先取り

 ダイハツ工業が世に送り出す新車に魅了されています。昭和30年代に育っただけに、ダイハツ初体験は三輪車の「ミゼット」。バイクのようなシートに座わり、「ブ〜ン、ブ〜ン」と唸った真似事が運転初体験。日本経済がようやく息を吹き返し、ゼロからスタートした自動車産業が再び新たな未来を創り始めたころです。失敗を恐れずになんにでも挑戦する。当時の気合いがミゼットの個性にみなぎっています。

ミゼットは戦後のカワイイキャラ

ミゼット

 四輪車では「シャレード」に恋しました。1977年に誕生した1000CCのエンジンの小型車です。室内空間や運動性能が優れ、日本の道路事情にもぴったり。エンジン排気量から「リッターカー」と呼ばれ、歴史に名を刻みました。シャレードの特別仕様車として登場した「デトマソ・ターボ」には参りました。カーマガジン風に表現すれば、本場イタリア車と比べても遜色ないデザインと走行性能を叩き出した「ぶっ飛びクルマ」。面構えが良い。「さあ、走るぞ」と真っ正面を見つめています。

面構えに惚れたシャレード

 2000年代に入ってからは「コペン」に脱帽。2002年に誕生した軽スポーツカーは、ボディーデザインが4種類設定され、それぞれがとても独創的でカワイイクルマに変身します。自分の好みでクルマをデザインする。「できっこない」と決めていた自分の固定観念を恥じました。「クルマって楽しい」と謳うダイハツの思いが心底、うれしく思ったものです。

 軽のスポーツカーはホンダ、スズキも素晴らしいモデルを発表していました。残念なことに途中で姿を消してしまいます。コペンはコアなファンが支え続け、独自の世界観を醸し出すことに成功しました。未来モデルも発表されていますから、これからも警継承されるはずです。

 街でコペンをよく見かけます。「このクルマを見て!」のオーラを発散しながら、ドライバーと助手席に座る友人・家族らがクルマと一体となって楽しそうに運転しているのがわかります。クルマ冥利に尽きるでしょうね。

変幻自在のコペンは未来も

 直近では「タフト」「ロッキー」でしょうか。磨きに磨いたボディーラインを輝かせるマツダと違い、直線的なデザインで仕上げています。まるで長方形の白い豆腐を包丁でスパッと切り分けたような面取り。そのシンプルさが独創的な個性を生み出しています。ダイハツのデザインは「思い切りの良さだ」と主張しているようです。

軽規格に縛られ、自動車の常識に縛られず

 ダイハツの開発史に終始してしまいましたが、ライバルのスズキも「ジムニー」「ハスラー」「クロスビー」など軽・小型車で時代を先取るキャラクターを開発し、ヒット車を飛ばしています。トヨタ自動車、ベンツ、フォルクスワーゲンなどの世界ブランドの陰に隠れてしまいがちですが、ダイハツとスズキは日本にしかない軽規格に縛られながら、世界の自動車の常識に縛られない新車開発に成功し、小型車の独自な世界を創造してきたのです。

 ここで振り返ってみると、ダイハツ、スズキは電気自動車(EV)を創出するうえで必要な準備体操を繰り返してきた印象です。EV時代の到来は、エンジン車が100年以上かけて積み上げた開発・生産の歴史をガラガラポンと壊してしまい、求められるのは産業界の常識に囚われないクルマ造り。

まるでレゴやタミヤの組み立て

 EVへの移行に伴い、3万〜5万点の部品を精密に組み立てる生産工程は消え、駆動系、シャシー、バッテリーなど基幹部品をブロックのように合体。車体の金型加工もテスラのギガプレスのように車体を大きな部位に分けてこちらも合体。極端な例えになりますが、組み立て玩具のレゴのように主要パーツをはめ込み、出来上がるイメージです。

 基幹部品の共通化も進むでしょう。価格が高いと批判されるEVです。部品を大量生産して、生産コストを抑えるためには共通化が必須です。すでにホンダと日産自動車が協業という名前で始めようとしています。

 常識破りのクルマ造りなら、ダイハツ・スズキでしょう。軽規格で鍛えられただけに、新たな課題のクリアを求めるEVは「いつか来た道」の一つに過ぎません。ホンダ、日産、三菱自動車も軽を生産・販売していますが、多種多様なクルマ造りとその成功体験には叶わないでしょう。同じ車体に基幹部品を使っているのに多彩なEVが誕生する。「コペン」で実証済みです。

 ダイハツは今、安全認証の不正行為で窮地に陥り、現場を無視した早急な開発短縮が主因と指摘されています。反省すべき点は反省するのは当然。不謹慎と非難する向きもあるかもしれませんが、ダイハツの開発哲学、実績まですべてを否定されることはありません。

トヨタが遅れを取る?

 スズキ・ダイハツがEVで先行するとなると、遅れを取るのはどこか。皮肉にも両社を傘下に収めるトヨタ自動車ではないかと考えます。なぜ、そのわけは・・・

 =次回につづく

関連記事一覧

PAGE TOP