ホンダはいつになったら、アシモの販売再開を宣言するのだろうか。あ〜、あ〜待ち遠し。
テスラ「オプティマス」が歩き始める EVに続き人型ロボットも追い抜いていく
テスラのイーロン・マスクCEOが情熱を注いでいる人型ロボット「オプティマス」が歩き始めます。2025年から生産を始め、まずテスラ社内で実証実験を兼ねて使用。結果が良ければ2026年から大量生産へ移り、外部へ販売する計画を明らかにしました。人型ロボットはホンダの「アシモ」はじめ日本が世界でリードしていた分野ですが、ホンダは現在、休止宣言中。テスラにはEV(電気自動車)で先を越され、今度は人型ロボットでも追い抜かれます。世界に冠たる先端技術王国として輝いていた日本は、このまま取り残されてしまうのでしょうか。
ホンダのアシモが先行していたのに・・・
テスラの人型ロボットが公表されたのは3年前の2021年。初期モデル「Tesla bot(テスラ・ボット)」が公開されました。動きはぎこちなく、研究開発が始まったばかりの段階でした。それから2年後の2023年12月、人型ロボット「Optimus Gen 2」(オプティマス第2世代)」を動画で紹介しました。
人型ロボットで最も重要な姿勢制御が大幅に改善され、スクワットの姿勢でしゃがんだり立ち上がったり。手の指を細かく動かす繊細さも体得。卵を掴むこともできます。第2世代は初期モデルに比べ重量が10キロ軽減され、動きのスピードも30%向上したそうです。動画で見る限り、ロボットのボディデザインは人間の体型に似た丸みが加えられ、卵を指先で扱えるぐらいですから触覚センサーなど人間らしい細かい動きがどんどん再現されていくのでしょう。
イーロン・マスクの人型ロボットへの強い思い入れは、その名前「オプティマス」からわかります。ラテン語の「最良」を意味しますが、ロボットファンならすぐに閃くはず。映画やアニメで高い人気を集めるトランスフォーマー「オプティマス・プライム」です。ロボットが車にも変身し、人間と一緒に地球滅亡を狙う邪悪な敵と闘い、人間と冗談を交わす友人でもあります。
EVと人型ロボットが人間の友人として支え合う。イーロン・マスクが考える究極のEVとはきっとトランスフォーマーなのだと勝手に思い込んでいます。
脳にチップを埋め込み、人工知能の開発
実現にはまだまだ技術が足りません。まず人間と友人になるために必携なのが人工知能。イーロン・マスクは生成AIで有名なオープンAIのサム・アルトマンと共に人工知能に取り組んでいましたが、オプティマスの開発でも人間の脳にチップを埋め込み、データ収集・解析を進めています。
人型ロボットでも人工知能が眼や触覚など人間の五感に代わるセンサーから集められた情報を的確に判断し、次に求められる動作を瞬時に決定します。可能になれば、オプティマスが共に生活する人間を助け、時には会話を楽しむ風景がすぐに訪れるかもしれません。
最近、テスラの業績不振が話題になっています。2024年4~6月期を見ても、売上高が前年同期比2%増の255億ドルと微増しましたが、最終利益は45%減の14億7800万ドルとなり、2四半期連続の減益です。世界のEV市場を席巻したテスラの勢いは衰え、「中国のEVメーカーBYDに追い抜かれる」「EVの需要は一巡した」との声も聞かれます。なかにはハイブリッド車が絶好調の売れ行きとなっているため、「EVに出遅れた日本車メーカーは先見の明がある」という見方すら飛び交っています。
イーロン・マスクはEVの先を見透す
しかし、イーロン・マスクの視線は、すでにEVの先を見透しているのではないでしょうか。過去100年間、支配したエンジン車の次に訪れるはクルマはインターネット、人工知能など最先端の技術を内包する「新たなモビリティ」なのです。中国BYDなどが仕掛ける割安なEV、ハイブリッド車の人気沸騰は、新たなモビリティへの過渡期に経験する一事に過ぎないのです。映画やアニメで演じられるトランスフォーマーのように、人間とクルマとロボットが一体化したモビリティを誰が創造するのか。その時に初めて勝者が決まるのです。