謎かけです。「日本銀行とみずほ」とかけて・・・ その心は、水と空気です。
企業の資金の流れを活発にするため、国債の大量購入を拡大する一方、東証に上場した株式で構成する上場投資信託( ETF)の年間買入額を2014年10月から3兆円、2016年7月からは6兆円に増額しました。日銀が2021年5月27日に発表した2020年度決算では総資産が過去最高の714兆5566億円(前年比18・2%増)と日本のGDP を軽く上回ります。国債保有高は全体の7割を超える532兆円に達し、ETFの保有額は35兆円を超えて日本最大の大株主となりました。もう国債もETFも日銀が購入し続ける余地が無く、どう見ても歪(いびつ)です。上場企業の筆頭株主が日銀と名を連ねるなんて、企業にも日本経済にも不健全です。保有する株式がシェアを20%超となる会社はアドバンスト、ファーストリテイリングなど4社の優良企業ばかり、10%超は71社にも達します。株式投資としてはうまい、マネー投資の鉄則、規模の経済を存分に発揮できますからね。
コロナ禍もあって日米欧の中央銀行は大幅な金融緩和策を継続しています。運良く日銀のいびつさは目立ちませんでした。ここにきて米国のFRBは2021年6月、2023年にもゼロ金利政策を解除する方向に切り替えました。欧州のECBも今秋から議論を始める様子です。日銀だけがひとりぼっちになりそう。「永久緩和のワナ」にはまって抜け出せないとの見方も出ています。現在の日本経済の足腰の弱さを考慮すれば、日銀が大幅な金融緩和策を修正できる可能性は極めて低いからです。
日本には必要な存在、その自覚を
資本主義経済の日本にとって中央銀行の日銀は不可欠です。しかし、現在の政策に対する出口戦略が見えないこともあって、黒田総裁会見は今や定期的な会見の一つに過ぎない注目度にまで低下しています。金融政策の自由度を失った日本経済に対する不安は募るばかりです。日銀は、意識しなくてもいつもそばにある空気と水と同化しても結構ですが、劣化してしまえば私たちは生きていけません。日銀もみずほも無限ループに嵌まり込んだ謎かけから抜け出せるでしょうか。資本主義が壁にぶち当たり、地球と人類が共存できる経済学を創造しなければいけない今、日銀、みずほはその存在が問われているのです。謎かけに問われた心は、その答は一つしかありません。「日本国民が生きてくためには絶対に欠かせない存在」という確信を私たちに示すことです。
余談ですが、みずほ創立で縁がある渋沢栄一さんはお孫さんが日銀総裁に就任しています。だから、みずほ、日銀と連想したのかな?