サンピラー

北海道・ふるさとを創る1サンピラーは突然現れ消えてしまう 至宝は目の前に 

 ニセコや富良野などの成功例をみていると、「サンピラー」を思い浮かべてしまいます。マイナス20度以下の極寒時、太陽光が空気中の水蒸気が凍結したダイヤモンドダストに反射して柱状に輝く現象です。突然現れて、いつのまにか消えてしまう。北海道の「ふるさと創造」が輝いた後、突然消えるのではないかと心配になってしまうのです。

サンピラー見たさで名寄のピヤシリへ

 実は、このサンピラー現象を見るため、毎冬名寄市のピヤシリスキー場へ通っています。すでに10年以上です。。札幌方面から国道で北上すると、名寄市内で「雪質日本一」との大看板を見かけますが、実際に滑ってみると日本一どころか「世界一」(注;個人の感想です)。

名寄の雪質日本一

名寄の雪質日本一

 ゲレンデの気温はマイナス20度を切る極寒になることもたびたび。空気中の水蒸気が凍るダイヤモンドダストの中を雲の上を滑るような浮遊感を体感できます。しかも、太陽の光がダイヤモンドダストに反射して柱状に輝くサンピラー現象もたびたび発生します。地元の人に言わせれば、そんなに幸運じゃなくても見ることできるそうです。ならば、是非見たいと思ったのです。

 案の定、自然現象です。こちらの期待通りに発生してくれません。しかも、この現象が発生する可能性が高い早朝にリフトが稼働していません。開始は9時からです。ある朝、早めに到着したリフト乗り場からゲレンデの山頂方面にサンピラーが輝いているのが見えるような気がしたのですが、リフトが動いてくれません。9時一番でリフトに乗ってなんとか山頂に向かうと、もう消えています。ゲレンデロッジのスタッフさんは「さっきまで輝いていたのに」と苦笑します。

 通い始めて9年目で初めてうっすらとしたサンピラーを目の前で体感できました。大感激です。サンピラーは大雪山系の雄大な自然の中でしか観察できないと思われがちです。しかし、実際は名寄市の中心部から車で20分ほどのゲレンデで体感できるのです。こんなに素晴らしいスキー場なのに職員が数千万円を横領して経営危機に追い込まれたことも。今でも稼働しできないリフトがあります。

 

ピヤシリ・スキー場

ピヤシリ・スキー場

 街のレンタカー店で「毎年、サンピラーを見たいこともあってピヤシリに通っているのんですよ」と話したら、「そうそう、サンピラーが見えるよね」と頷きながらわざわざ東京から来るほどかなとちょっと不思議な表情をしていました。名寄の皆さん、もったいない!もっと自慢しましょう。

 この素晴らしい自然現象を大雪山系に登らなくてもみることができるのです(注;運が良ければ)。まさに隠れた至宝です。でも日本、そして世界の人は知りません。個人的には引き続き知って欲しくないのですが・・・。

 サンピラーは突然現れ、消えてしまいます。北海道のふるさと創造が成功したと思っても、しばらくして突然消えてしまったのでは悲しい。北海道には気づいていない至宝がたくさんあります。探し出す旅は続きます。次回に続く、です。

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