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プルデンシャル生命が顧客から31億円を詐取 強欲経営の末路は信用喪失による奈落

 生命保険の社員106人が500人近い顧客から金銭を騙し取ったり、借りても返済しなかったり。もうお見事と褒めるしか無い信用喪失の典型例です。なかなかこれほどの非道はできません。顧客から騙し取った金額は約31億4000万円。「トクリュウ」と呼ばれる反社会勢力と肩を並べる悪さです。

「トクリュウ」と並ぶ悪質な手口

 しかも、騙しの手口に使った名刺は世界的な生命保険会社「プルデンシャル・ファイナンシャル」の一員である日本のプルデンシャル生命保険。本物の名刺です。「トクリュウ」ならではの胡散臭さに気付く人間でも、詐欺グループでもない実在する生命会社のプルデンシャルが客である自分を騙すとは思いもしないでしょう。

 手口は悪質です。プルデンシャル生命が公表した調査結果によると、1991年以降、498人の顧客に対し、暗号資産(仮想通貨)などへの投資やもうけ話を持ちかけ、顧客から受け取った金銭を着服したり、借りても返さない事例がずらり。着服した金額は30億8000万円。このうち23億円近くは顧客に返金されていないそうです。

 そもそも調査は2024年6月に投資金の名目で顧客から金銭をだまし取った詐欺の疑いで元社員が逮捕されるなど相次ぐ不祥事がきっかけ。同年8月から全顧客を対象に調査しました。

 プルデンシャル生命の制度や保険業務を利用した詐欺行為のほか、「プルデンシャルの社員しか買えない株があり、絶対利益が出て元金は保証するからお金を預けてくれないか」と信用させて架空の投資案件で着服した事例、流行の暗号資産の勧誘などさまざま。

 驚くのは自社製品を営業して金銭を騙し取るだけでなく、プルデンシャル生命とは全く関係のない架空の投資案件を持ちかけて金銭を奪い取っていることです。

100人超の社員が詐欺

 まるで漫画「ナニワ金融道」に登場するエピソードを実演しているようです。もっと驚くのは100人を超える社員がプルデンシャル生命の下で詐欺師を演じたことです。大企業とはいえ、100人を超える社員が詐欺行為を長年、続けられたことは、会社組織として事実上、認知されており、社内では常識となっていたのでしょう。

 保険会社の営業担当者は業績によって年収が大きく左右され、高成績を上げれば驚くほどの報酬を得られるそうです。保険の営業担当者は顧客との頻繁に会話して得た厚い信用を資産に保険商品を勧め、顧客数を増やすのが常道ですから、信用する営業担当者から「おいしい投資案件」を持ちかけれたら本当の話としてじっくり聞くのは当たり前です。

 保険会社のみならず銀行など金融機関は、顧客との信用関係が事業継続する命です。最も大事な信用をどぶに捨て、営業担当者が自身の儲け話に突っ走る組織を許していたら、その金融機関は存在価値はありません。

調査会社や経済誌からは高い評価

 プルデンシャル生命はブランド調査会社や米経済誌から高い評価を受けています。自社のHPには「契約後のアフターフォロー満足度第1位」を掲げ、アピールしていますが、契約後のアフターフォローが架空の投資案件の勧誘だとしたら、満足度第1位も会社の高い評価もすべて嘘で固めた評価としかいえません。プルデンシャルの意味は健全性や思慮深いなどですが、日本のプルデンシャル生命はなんとも不健全で浅慮な会社でした。

 本社がある東京・永田町のプルデンシャルタワーは、1982年に大火災を起こしたホテルニュージャパンの跡地です。当時のオーナーは企業買収で知られた横井英樹氏。横井氏には取材で何度もお会いしたことがあります。プルデンシャル生命が相次ぐ不祥事でニュースになると、プルデンシャルタワーが建設されるまでの多くのエピソードが蘇りましたが、今回の詐欺行為の調査結果を知った時、なぜか横井英樹氏の思い出が浮かびました。

 プルデンシャル生命の関原寛社長は2月1日付けで経営責任を取って辞任しますが、強欲に塗れた企業組織が再生するには何が必要なのか。なにも示されていません。

◆ 写真はプルデンシャル生命のHPから引用しました。

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