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「下請けいじめ」公取委、国交省とタッグで一掃へ「見て見ぬ振り」を許さず、国交省の本気度を試す

 公正取引委員会が監督官庁と組んで「下請けいじめ」の解消にアクセルを踏みます。まず国土交通省、経済産業省と長距離輸送や宅配便など運送業を調査し、長年にわたる不明朗な取引慣行の実態を明らかにします。

国交省は実態を熟知

 これまでも、運送業を監督する国土交通省は輸送現場の実態を十分に熟知しているはず。にもかかわらず、公取委が「下請けいじめ」に国交省を取り込むのは、悪質な取引は一罰百戒として是正に乗り出しても、ほとんどは長年の慣行を理由に「見て見ぬ振り」を貫き、一掃に向けた姿勢が甘いと判断したからではないでしょうか。

 運送現場では、運賃や支払い期日、支払い方法が明確にされないまま、口約束のまま業務が行われることが多々あります。荷役や検品、長時間の荷待ちなどでトラック運転手が拘束されているにもかかわらず、運賃に含まれているか、それとも無償なのか不明な状態になっていました。到着後も手積み・手降ろし、作業の遅れによる数時間の構内待機に対しても料金が支払われないケースが常態化していました。

 下請けいじめは、発注企業が優位な立場を利用して下請け企業が不利益になる取引を強いることです。1円でもコストを削りたい発注側と1円でも利益を増やしたい下請け側の力関係は歴然。多少のコスト増に目を瞑り、中長期的な取引継続を期待して「下請けいじめ」に耐えるのが中小企業の現状です。

中企庁の調査でヤマト、西濃を低評価

 中小企業庁が定期的に公表している「下請けいじめ」調査でも、運送業は住宅メーカーと並ぶ悪名高き「下請けいじめ」として高い注目度を集めています。この調査は30万社にアンケートし、4万6461社から回答を得ています。「下請けGメン」も約2000社をヒアリング。下請け企業の本音にかなり迫っています。

 2年前の2024年3月時点の調査結果をみてください。最低の評価を得たのはタマホーム、エディオン、一条工務店の3社ですが、次いで評価が悪かった企業リストにヤマト運輸、西濃運輸などが名を連ねました。しかも、「下請けいじめ」と指摘する中小企業数は大半が10〜20社程度ですが、ヤマト運輸は77社。西濃運輸も27社から名指しされました。

 ヤマトや西濃は宅配便サービスなどで関係する取引先が多いこともあるのでしょうが、人材確保で人件費が増加したうえ、燃料費も高騰。なんとかしてコスト削減に走っている窮状があぶり出ています。

公取委は2022年に警告

 公取委も早くから運送業の「下請けいじめ」に警告を発していました。2022年12月末、下請け企業とコスト上昇について交渉しなかった13の企業・団体を公表しましたが、13社のうち佐川急便、丸和運輸機関、三菱電機ロジスティックス(現MDロジス)、三菱食品、日本アクセス、トランコム、大和物流の7社が名指しされました。いずれも宅配便、食品流通、製造業などを担う大手物流会社ばかりです。

 公取委が違反認定していないにもかからず、社名を公表するのは極めて異例で、「下請けいじめ」の是正を強い姿勢で示したことがわかります。

国交省の本気度を試す

 国交省は2025年4月に改正貨物自動車運送事業法を施行し、 荷主およびトラック事業者に対し、運送契約締結時の書面(メール等も可)交付と、その写しの1年間保存を義務化。 役務内容・対価、荷役・附帯業務、特別費用、支払方法なども定めました。公取委とも国交のトラック・物流Gメンが連携し、無償の荷役や長時間の荷待ち、一方的な価格据え置きなどを是正するように指導、勧告しています。

 それでも公取委は改めて国交省とタッグを組み、徹底的に解消する方針を明らかにしました。まるで運送業界よりも、国交省の本気度を試しているかのようです。

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◆下請けいじめを撲滅しましょう!シリーズ連載

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