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フジパン 8枚切り

フジパン「8枚切り100円の食パン」が主役?安さ、コスパでスーパーのPB戦略を支える

 スーパーの食パン売り場で始まっている異変に気づいていますか。8枚切りの食パンが絶好調です。

 スーパーのパンは野菜、肉、乳製品などと並ぶ主力売り場です。数年前なら、山崎製パン、敷島製パン、フジパンなどのNB(ナショナルブランド)商品は商品棚を埋め尽くしていました。

価格は100円前後

 ところが、最近は8枚切りの食パン、しかも「ロイヤルブレッド」「超熟」「本仕込み」などテレビCMで盛んに流れるNBと違う無名のブランドが商品棚の占有率を高めています。

 無名といっても、スーパー独自のPB(プラベートブランですが、スーパーは大手パンメーカーから販売促進金を得るため、「超熟」などNBを商品棚で最も目立つ上半分の場所に配置し、PBの食パンはすぐには目に入らない下部の棚に隠れるようにあります。

 ところが、売れ行きは8枚切りのPB食パンがまさに飛ぶように消えていきます。実況中継したいくらい面白いですよ。いつも通うスーパーの食パンの商品棚では午前中、NB商品が3分の2ほど占めていますが、午後3時ごろになるとスーパーの店員さんがPBを上の棚に移し、NBを下の棚に並び変えています。

 しかも、おなじPBでも人気のある6枚切りより8枚切りが早く売れています。品切れは8枚切れから始まり、5枚・6枚切りが棚に残ったままの時も

 8枚切りPB食パンはなぜ好調に売れているのでしょうか?

 ヒット1番目の理由はなんといっても割安感。価格は100円前後と百均「ダイソー」の店頭でも売れそうです。NBの食パンが150〜230円ですから、3分の1か2分の1で食パン1袋を買えるのです。パンは毎日の主食ですから、PB1パック買えばNBの2日分を賄えます。100円のPBも積もれば山となるとなるじゃないですが、長い目でみればかなりの節約。なんと財布に優しいことか。

 スーパーによっては、売れ残ったNBの期限切れが迫る食パンに50%引きのシールを貼って売り切りを狙いますが、半値にしても100円以上。だったら、期限切れの心配がない新鮮なPBを買います。

家族で食べればコスパ抜群

 ヒット2番目の理由は8枚切りのお得感。毎朝2枚食べると仮定しても、1パックで4人家族分に相当。人気の高い6枚切りなら、8枚分を揃えるには2パックを購入せざるを得ませんし、2枚余ります。せっかく封を切ったのに2枚を残すのは、なんか無念。

 ヒット3番目の理由は8枚切りは6枚切りに比べて1枚あたりのカロリーが低い。2枚食べても、カロリーを抑えた食事になった自ら納得。罪悪感はゼロ。たまに1枚だけに抑えたら、今日はダイエットした!という満足感もおまけに加わります。

 「味は劣るんじゃない?」。そう思うでしょ!。味覚、好みは個人差があるので良し悪しはいえませんが、小麦粉本来の味を楽しめます(あくまでも個人の感想です)。日本の食パンは一時期、ブームとなった高級食パンでわかるようにモチモチ感が強く、甘い味が好まれがちですし、テレビCMでもモチモチ感が強調されています。小麦粉の味がするといっても、ピンと来ないかもしれません。

 でも、小麦粉のボソボソ感が本来のパンらしさを味わえるのです。欧米に行ってサンドウィッチを食べるとわかりますが、ボソボソした小麦粉の触感を残したパンにハム、レタス、チーズを挟んで食べて見てください。とてもおいしいですよ。100円でパン本場の欧米に近い味覚を味わえると考え直せば、PBはNBよりもダメと捉えるのは勘違いと思いませんか?

スーパーのPB戦略を支える

 8枚切り100円のPB食パンは今や、スーパーのPB戦略を支える存在です。全国スーパーマーケットの統計調査によると、食品カテゴリーにおいてPBの売上高が「前年より増加している」と回答したスーパーは5割を超えており、PB食パンは牽引役を果たしているのです。

 イオンのPB「トップバリュ ベストプライス」は2026年上期の売上高が前年同期比33%増の1500億円へと急増していますが、8枚切り100円の食パンを含めて価格据え置き路線を徹底したことが寄与しています。

 背景にはパン売り場の主役だった山崎製パン、フジパン、パスコ(敷島製パン)などのNB商品が小麦粉や物流費、人件費の高騰でこの2年間、何度も値上げを余儀なくされました。店頭で200円以上になったNBの食パンを敬遠し、より安価な商品へ乗り換える動きが加速しているのです。

NBの値上げが追い風

 主役はフジパンでしょうか。スーパーで100円のPB食パンを買い、そのパッケージの裏面の製造元を見てください。「フジパン株式会社 〇〇工場」と記載されているケースが非常に多くあります。

 ちなみにイオン、イトーヨーカドー、ヤオコーの100円パンを見たら、いずれもフジパンでした。PBパンが売れれば売れるほど、受託しているフジパンの工場もフル稼働して潤い、フジパンの好業績を支えているといわれています。

 物価高に悩む消費者、売上を伸ばしたいスーパー、そして工場を安定稼働させたい大手パンメーカー。8枚切り100円のPB食パンは、まさに「三方一両得」。「PBパンの爆発的ヒット」は日本の食卓を支える大きなトレンドを象徴しているのかもしれません。

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