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生保の優秀営業、地獄の沙汰も金次第と勘違い!ソニーも富裕層を手玉に 

 ソニー生命保険の優秀な営業担当者を知っています。彼は高校、大学を野球部で卒業した後、大手自動車メーカーに就職しましたが、頭の中はもっぱら趣味の釣りでいっぱい。仕事が話題になると、目はドロ〜ンとしていますが、週末の釣りに変わるとキラキラに。平日休んで釣り船に乗る日も増え、スポーツ紙で釣りのコラムを執筆するほどでした。

知人にソニー生命の優秀な営業

 突然、転職した先がソニー生命。1年後に出会ったら、クルマは以前勤めていた自動車メーカーを選ばず、ベンツに。趣味の釣りに利用するクルーザーも購入していました。「年収は10倍ぐらい増えたから」と笑います。自分でも驚くほど生命保険の営業が性に合ったそうです。「お客さんとクルマや釣りの話をしていれば、どんどん信頼されて契約が進んでいく。前職と違って自然体で仕事ができるのが良いみたい」。正直、そんなやり手とは思わっていませんから、「ソニー生命への転職で天職を得た」という駄洒落が頭を駆け巡っていました。

 ソニー生命で営業職を天職と信じた転職組はもっと多くいたようです。1人の元営業担当者が顧客から約22億円を借り入れ、約12億円が返済されていないことが発覚しました。2015年から22年までの7年間、顧客や親族ら約100人に個人名義で借用書を作成し、約22億円を金銭を借りていました。借金は運用するので、「毎月3%の配当金を出す」と説明していたそうですが、そんなに上手い話があるわけがありません。

 それでも顧客を信じ込ませる説得力を持ち合わせていたのでしょう。7年間も騙し通せるなんて驚くしかありません。

プルデンシャル生命は100人で31億円を詐取

 2025年1月にはプルデンシャル生命保険の社員・元社員約100人が顧客約500人から約31億4000万円を詐取した事件が発覚したばかりです。架空の投資案件などを顧客へ持ちかけ、騙し取るなど反社会的勢力「トクリュウ」も顔負けの事件と呆然としましたが、優秀な営業担当者が集まると評価されていたソニー生命も「同じ穴の狢(むじな)」だったとは!

 ソニー生命、プルデンシャル生命ともに共通しているのは、優秀な営業職による不正行為だったことです。ソニー生命の場合、営業担当者約5800人のうち上位1割に入っていたそうです。プルデンシャル生命もトップクラスの営業職でした。過去には「伝説の営業」と呼ばれ、著書を出版している人もいますから、顧客から詐取した営業担当者も業界で名を馳せていたはずです。

 共通する点はもう一つありました。営業職の報酬体系に完全歩合制を採用していることです。ソニー生命の友人のエピソードでもすぐに理解できると思いますが、自身の力で年収を膨らませ、生活を一変できるのですから、頑張り度合いも桁違いなのでしょう。

 なんといっても、ソニー生命の元営業担当者は1人で22億円をかき集めています。単純比較するのもおかしいと承知していますが、プルデンシャル生命の場合は社員・元社員100人で31億円を詐取しました。ソニー生命の営業職はプルデンシャル生命に比べ、かなり優秀と勘違いしてしまいそうです。

富裕層の胸中を見抜き、信頼を裏切る

 それにしても、顧客を手玉に取り、大金を詐取する悪質な手口には呆れます。「富裕層とはいくら資産が増えても、満足できない人々」。銀行、証券など金融機関で取材していると、営業現場からよく聞いた言葉です。自身の資産をもっと増やしたいと考えるのは当然ですが、増えても増えても際限はないというのです。

 ソニー生命、プルデンシャル生命の営業担当者は、長年培った信頼関係を通じて顧客の思いを知り尽くしています。冷静に考えれば断る資産運用でも、自分が説明すれば信じるとわかっているのです。世界ブランドの「プルデンシャル」「ソニー」の看板を背負う営業担当者が「あなただけに教える高配当が確実な投資案件です・・・」と囁いたら、心が動いても不思議じゃありません。

 ソニー生命もプルデンシャル生命も氷山の一角。表沙汰にならない金融業界の詐取はもっとありそうな気配を感じます。 

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