
北海道遠軽町 公営バスに乗って道の駅「森のオホーツク」に向かう ①
北海道遠軽町の公営バスの話です。遠軽町の街をぶらぶら歩き回った後、公営バスに乗って遠軽駅から4キロほど離れた道の駅「森のオホーツク」へ向かいました。それだけのことですが、数多くの思わぬに出会いが待っていて、とても楽しかった。高田渡さんの「自転車にのって」を歌いながら、3回に分けて書き流してみます。
2月、毎年通う名寄市のピヤシリスキー場を満喫した翌日早朝、旭川駅経由で石北本線で遠軽駅に到着しました。何度も訪れている駅ですが、いつも仕事が絡む出張でしたからタクシーなどで目的地に直行。遠軽町の街を歩き回ったことはありませんでした。

遠軽駅はスイッチバックを体験できる
稚内から根室までの北海道東部のオホーツク沿岸が好きです。四季を通じて美しく雄大な自然が広がり、豊かな海産物、乳製品、農産物と出会い、おいしい味覚に魅了されます。これまでもJR、バス、マイカーでオホーツク沿岸を指でなぞるように何度も何度も旅行していますが、遠軽町まっしぐらで向かう気持ちが湧きませんでした。流氷の紋別や網走、サロマ湖を控える北見などライバル?が多い地域だけに、影が薄く感じていたようです。
ただ、遠軽町でしか体験できない快感を忘れたことはありません。スイッチバックです。
遠軽駅は北海道で唯一スイッチバックを体験できる駅です。旭川駅を出発した列車は遠軽駅に到着すると、「周りのお客様とお話しして座席の向きを進行方向に変えてください」と車内放送が流れます。かつての名寄本線と石北本線が接続する交通の名残りで駅構内の線路はY字型のまま。一度入線した後に逆方向へ出発する形になります。旭川から向かうと、座席の向きを変えないと背を向けたまま北見駅に向かいます。「な〜んだ、それだけ」というかもしれませんが、何度経験してもうれしくなる体験ですよ。
その遠軽駅でスイッチバックを体験せずに下車するのは、ちょっとした勇気が必要です。なんか勿体無い。今度は、その勿体無い体験を諦めて新たな感動に出会おう。そんな意気込みは全くありませんが、遠軽町を知らずにオホーツクの旅を終えてなるものかと決め、歩き回ることにしました。

クラシックなミシンがずらり
遠軽駅から歩き始め、商店街が立ち並ぶ大通りをめざします。すぐにミシン博物館のような手芸店と出会いました。「RICCKAR」「SINGER」など知っているブランドが陳列されています。意外にも「FUKUSUKE」「MARRY」など初めて見るブランドも並んでいます。とっても失礼ながら、「なぜ、こんなに多くのクラシックなミシンが揃っているのか」。
小さい頃、母親が使っていたミシンの踏み板を前後に動かして遊んでいた懐かしい記憶が蘇りました。足を動かすだけなのにミシンの針は正確に生地を縫い合わせていきます。踏み板の前後の動きがどうして針を上下に運動させるのか。きっとこの黒いボディに魔法のような精巧な技術が仕込まれているはずと思いますが、全く理解できません。「SINGER」の文字を見ているだけで、小さい頃のワクワク感を思い出しました。
「なぜ、こんなに古いミシンをたくさん揃えているのか」という驚きに背中を押され、お店に入ろうかと入り口を探したら、今日は日曜日。休業でした。質問したいことがたくさんあっただけに、残念!それでも、母親のミシンの楽しい思い出が蘇るきっかけになりましたので、ミシンに感謝してお店を後にしました。

遠軽町にかぎらず地方都市の「あるある」ですが、とにかく街の通りを歩いている人をみかけません。みなさん、移動手段はマイカー。慣れているとはいえ、わざわざ寒い中を歩くわけがありません。自分自身、しっかりと防寒しているものの、ほとんど姿が見当たらない街の大通りを歩くだけで心も寒くなります。
このまま歩き続けるのはちょっと無理。なにしろ、ホテルのチェックイン午後3時まで4時間以上もあります。とにかくブラブラして時間を潰さないといけない。ところが、夏と違って外の気温はマイナス10度ぐらい。1時間の散歩するのもつらい。
とりあえず宿泊予約したホテルに向かい、暖を取ることにしました。駅から近い場所になるので、すぐに辿り着きました。ダメ元で「チェックインタイムの午後3時前に部屋は入れますか?」と尋ねたら、「すいません。午後3時にお願いします」とていねいに断られました。遠軽町は紋別や網走などインバウンドの外国人観光客で賑わっているわけではないので、失礼ながらホテル内は閑散。「1人ぐらい許してよ」と誠に身勝手な思いが浮かびましたが、断られるのは当たり前。
暖を求めてバスターミナルへ
「とにかく街を歩き続けるしか無い」と覚悟してホテルを出たら、大通りの向かい側にバスターミナルがありました。「バスターミナルの中は絶対に暖かい。いろんな情報も得られる」。身も心もホッとして向かうことにしました。=次回に続きます。

