地価上昇トップ3は白馬、北の峰、野沢温泉のスキー銘柄 次の候補は旭川かな

 2026年の公示地価の住宅地で上昇率トップ3を占めたのはスキーリゾート。発表前から「だろうなあ」と確信していましたが、予想通りの結果でした。

JAPOWが世界から客を集める

 うれしいやら、悲しいやら。日本のパウダースノーは「JAPOW」と呼ばれ、世界でも最高級と評価されるきめ細かな雪質です。今冬もこのパウダースノーを求め、海外から多くのスキーヤー、ボーダーが押し寄せてきました。一時期、閑散としていたスキー場が再び活況で賑わうことは大歓迎ですが、宿泊代やリフト券は公示地価と比例したかのように高騰してしまい、気軽にスキーを楽しめなくなってきました。スキーファンとしては複雑な気持ちです。

 上昇率トップの銘柄はもうお馴染み。第1位は長野県白馬村の33%、第2位は北海道富良野市北の峰の30%、第3位は野沢温泉村の22%。第4位はJR品川駅に近い東京都港区港南が22%と都市再開発銘柄が加わりますが、第5位は再び野沢温泉村が21%と顔を出します。上位5地点のうち東京を除く4地点はいずれも世界中から観光客が集まるスキーリゾート。

 上昇率の急騰にはもう目が慣れています。2010年代後半から国際スキーリゾートとしての評価が定まった「ニセコ」の地元、北海道倶知安町が40〜50%台の上昇率をみせていましたから、「30%台なんて驚く数字じゃない」と言いたいところですが、やっぱり凄い。白馬も北の峰も野沢温泉も訪れるたびに外国人客の多さに圧倒されてしまうだけに、ホテルやレストランなど観光投資の地価を押し上げる力強さに脱帽するしかありません。

 もっとも、公示地価は結構、安い。白馬村は1平方メートルで2万7400円、北の峰は8万4500円。100平方メートルを買っても、単純計算で白馬村なら300万円台。第4位の東京・港南は2260万円と比較したら、全然安い。白馬村や富良野市ではホテルや別荘など観光投資が過熱しています。上昇率30%台といっても来年以降もまだ上昇圧力が強いはず。それなら、土地売却益を狙った「一坪地主」になってやろうかと良からぬ邪念が浮かぶます。

家族で楽しめば10万円が吹き飛ぶ

 できもしない邪念を振り払っても悲しいのは、ホテル代やスキー場で利用するリフト券の高騰。ホテル代は「もう日本人を相手にしていないのではないか」と嫌味を言いたくなるレベル。ゲレンデを楽しむために必須のリフト券もジャンプ競技に例えればノーマルヒルからラージヒルへ。ニセコの場合、今冬はニセコ全山共通リフト1日券(大人)が窓口販売で1万2000円。シニアでも1万200円。富良野市の北の峰ゲレンデは1日券(大人)で8000円。仮に家族3人か4人で訪れ、食事代を含めれば軽く5万円はかかります。1泊か2泊したら、ウン十万円。海外旅行する覚悟が必要になってきました。

 スキーリゾートの公示地価高騰の余波はきっと加速するはずです。旭川市に近いカムイ・スキーリンクスでも国際リゾート構想が動き始めており、ゲレンデはもうニセコ、富良野と同じ風景に。旭川市内からバスで30分の近距離に位置するだけあって、旭川市周辺の家族連れのみなさんが多く、なんかホッとしてしまいますが、ゲレンデ、レンストラン、スキーやスノーボードのレンタル受付などは外国からのお客さんでいっぱい。

旭川はすでにニセコ、白馬、富良野の風景に

 ニセコや富良野から他のスキー場へ流れる動きも感じます。これまで地域のローカルスキー場として利用されてきた中規模なゲレンデに向かう外国スキーヤー、ボーダーを見かけます。ニセコの倶知安町、白馬村、富良野市、野沢温泉村で起こった地価上昇は、旭川市など新たな地域でも過熱するでしょう。スキーリゾートの地価高騰は、土地の銘柄を変えながらもまだまだ続くのは間違いなさそうです。「やっぱり一坪地主をめざそうかな?」。再び邪念が湧いてしまいます。

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