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三菱電機が教える「それはおかしい」と言えない日本のおかしな組織

三菱グループは個人への権力集中を避けるため、社長の任期は4年を慣例とする会社が大半です。他の財閥系もそうでしたが、「商社の社長は水洗トイレ」という例えがあります。商社の仕事は政府関連や巨額投資が多く、ディープでグレーゾンに入り込まないと受注できない場合が多い。

火中の栗を拾うのはあくまでも事業部門の最高責任者。そうすれば不祥事がバレても責任は事業部門止まり。会社を守るためには社長は何があっても「知りませんでした」と胸張って弁明できる。いつもクリーンな立場を常に堅持できなければいけない。つまり、いつもきれいなピカピカの水洗トイレであれ、ということです。直近でみても、テレビや新聞で登場する商社の社長は伊藤忠商事の岡藤正広社長ばかり。名前と顔をすぐ思い浮かべる人が多いはずです。これに対して、三菱商事や三井物産の社長は誰?という人はほとんどじゃないですか。伊藤忠は三菱、三井を追いかけるために社長もPRマンとして登場する必要がありますが、三菱、三井はそんな労力を費やす理由はありません。

国内外の官公庁など国策に関わる受注ビジネスの大きさでいえば、三菱電機も三菱商事と変わりません。総合電機メーカーとして国産初の集積回路(IC)などを開発した技術力をテコに、白物家電から防衛用レーダー、宇宙衛星、製造、鉄道車両向けの電機品と幅広い事業分野を手掛けています。かつて世界一といわれた日本の製造業の力の源泉である工場を効率化するファクトリーオートメーション(FA)を支えたのも三菱電機です。ちなみに2020年の特許の国際出願件数は企業別で世界3位だそうです。

三菱電機の社長は幅広い事業構造を抱えているだけに、それぞれの事業部門責任者にほぼ全権委任する「分散統治」という形態になったとの解説があります。事実、三菱電機の歴代社長は事業部門出身者が少なく、研究や生産技術部門から選ばれています。従業員数は連結ベースで見ると14万人を超えます。

「社長が各事業の現場を知らないのはしかたがない」と受け止める人がいるかもしれませんが、これだけ組織的なデータ不正操作を行なっているわけですから、かならず部門長レベルは知っているはずです。なぜなら入社新人の頃から目の前で行われていることを見ているからです。不正操作の情報が一人、二人の少人数で秘匿できるわけがありません。

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