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「2024年問題」ドライバー不足の現場の叫びは、経営の真髄を突く

  いつもと違う散歩道を抜けようとしたら、手書きの求人募集が目に入りました。心のこもっった字体とイラストで何枚にも渡って描かれ、張り出しています。思わず立ち止まって読んでしまいました。募集はある運送会社でした。張り紙の内容が実際に実践されているかどうかはわかりません。ただ、その内容に目も心も奪われました。

  求人大募集 

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社員、アルバイト、応相談します!

 この後には電話番号、担当者のお名前が続きますが、省きました。

実際の求人募集

 求人募集に続くのは、給与など賃金体系、労働実態などが続きます。給与は30万〜50万円、労働時間は朝6時から午後3時、実働は休憩90分を挟み、7時間30分。福利厚生に積み立てNISA支援制度も加えています。

 とても興味深いのがトラック運転手に対する誤解を解く姿勢でした。

「怖い人が多そう」→偏見です。昔はパンチパーマとか見かけましたけど・・・うちは一人もいません。今はマナーも大切です。

「ブラック企業」→整備されていない、雇用契約がない、高速代自腹、労災が使えない・・・常識外の企業は残念ながら存在しますが、うちはホワイト企業です。(^w^)

「拘束時間が長い」→昔は配送で3時間待たされたりとかもありましたが、今はあまり待機するなら持ち戻る時代です

 

誤解に対する説明も一生懸命

 上記は一部です。「2024年問題って」「物流業界自体がやばいのでは?」という疑問にも答えています。いずれも運送業界を取り巻く経営環境を的確にポイントを押さえて説明しています。

 物流に詳しい大学教授が「待ち時間」について論じている文章を思い出します。荷受けや納入の待ち時間がとても長く、ドライバー不足に拍車をかけている現状を説明し、「小売業界など物流に関連する業界全体で待ち時間を解消する施策を打ち出せば、ドイラバー不足は解消する」と指摘していました。この張り紙を書いた運送会社の指摘が正しいなら、待ち時間解消でドライバー不足を解消できるレベルではないことが推察されます。かなり深刻です。

 ちなみに「2024年問題」とは、運送業界はすでに他の業界で徹底されている労働時間の厳密な管理について猶予されていましたが、2024年からその猶予は撤廃され、年間の時間外労働の上限が960時間に制限されます。長距離を運送するトラックなどを中心に運転手の確保が急務となっていますが、日本全体の人手不足もあって対応の目処がついていません。

運送会社の経営姿勢もていねいに説明

 

 この運送会社のスタッフは、最後に「まとめ」も書き連ねています。内容はそのまま経営の教科書に掲載して良いのではないでしょうか。

 20年以上、うちの会社や運送業界を見てきて「2024年問題:は物流業界にとっては至難となりますが、運送のイメージの改善、労働者の雇用条件の向上、本当に良い会社が生き残る、両者にとってチャンスだと思います。NISAのように将来を見据えて右肩上がりの会社になれるように努力、精進していきますので、お力添えをお願いします。

 「犬も歩けば棒にあたる」という諺がありますが、散歩を毎日していたら、「経営の真髄」を教えてもらう貴重な機会を得ました。求人募集の筆者に心から脱帽し、感謝します。

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