
北海道遠軽町 公営バスに乗って道の駅「森のオホーツク」に向かう ②
バスターミナルは、まさにバスターミナルでした。
ドアを開ければ、待合室が目の前に。道路に面した方向に椅子が何列も並びます。席数は2、30人分ぐらい。座っている人は合計しても10人はいません。目当てのバスが発車する時間までおしゃべりしたり、目の前に設置されているテレビを視聴したり。ひと目で旅の人とわかる私が入っても、誰も興味を示しません。バスターミナルはいろんな人が出入りする場所ですから、当たり前といえば当たり前。
トイレがきれいな街は素晴らしい
とにかくホッとしました。温かい空気が充満しています。気が緩んだせいか、とりあえずトイレに向かいました。とてもきれいに掃除されています。これまでの経験からいって、トイレをきれいに管理している街は良い街に決まっています。
青森県風間浦村がそうでした。下北半島の名湯である下風呂温泉はいつも湯船に浸かると「はあ〜」と声ができるほど気持ち良いですし、地元の名産イカやあんこの肝和えは言葉を失うぐらいうまい。
遠軽町を訪れて良かった! こう言い切れる出来事が待っていると確信しました。
といっても、再びとりあえず待合室の席に落ち着き、テレビを見ることにしました。知らない街を楽しむコツは迷ったら、「とりあえず」を繰り返すことと信じています。
それに、まだお昼前。いつもなら街をぶらぶら歩き回り、遠軽町を探索するのですが、外気はマイナス10度以下。しっかりと防寒しているとはいえ、オホーツクの気候を甘く見るわけにいきません。いつ何時、晴天の空がいつのまにか吹雪に変わり、呆然と立っているかもしれません。散策しても1時間は保たないだろうと諦め、せっかくバスターミナルにいるのだから、路線バスで動き回ろうと考えました。
道の駅とスキー場が併設
さてどこに行こうか?。悩んだら、遠軽町にはスキー場があることを思い出しました。本数は少なくても、きっと立ち寄る路線バスがあるはず。バス会社のスタッフに聞こうと思い、待合室の奥にある窓口に向かいます。
窓口の天井近くの壁には路線バスの行き先と時刻が克明に案内されていました。地元の人なら、ひと目見るなり用が済むのでしょうが、事前に調べもせずに初めて路線バスを利用する人間にとっては行き先と記された地名を見てもどこに位置するのかすら全くわかりません。当然、スキー場に向かうバス停を経由する路線バスも全く想像できません。
もっとも、質問するといっても「スキー場へ行きたいんですけど、どのバスに乗れば良いですか」ぐらい。窓口の担当者には申し訳ない気分になります。ただ、窓口といっても、丸いポツポツの穴が空く透明なガラス越しに話すタイプではなく、開けっ放しの窓越しに同じ目線で説明してくれるタイプでした。「担当の人がいるなら、ちょっと聞いてみようか」と気軽に語りかけそうです。
資料によると、このバスターミナルは「北海道北見バス 遠軽ターミナル」。北海道北見バスが札幌・旭川方面の高速バス、オホーツク海沿岸の町・湧別から紋別まで、そして遠軽町からの業務委託で町内バスを運行しています。そうそう、明日午前、利用する遠軽町に隣接する紋別市の紋別空港行きの無料バスも出発します。
これから利用しようと考えているのは遠軽町の町内バスで、丸瀬布線・社目淵線・瀬戸瀬温泉線・丸瀬布上武利線・白滝丸瀬布間福祉バスなどに枝分かれしています。いずれにしても、観光客にとっては???が並ぶ謎が散りばめられた路線網です。謎を解くため、窓口の職員さんに尋ねることにしました。
「スキー場へ行ってみたいのですが、どのバスに乗れば良いですか?」
「丸瀬布線を使って、道の駅『遠軽森のオホーツク』で降りてください。スキー場は道の駅のすぐ目の前にありますよ。でも、今、出発したばかり。次は13時26分ですね」
窓口の女性はとても親切に教えてくれました。さすが北海道です。まるで友人同士の会話のように気軽に教えくれました。調子に乗って、明日午前に利用する紋別空港行きのバスについても確認しました。
「明日の紋別空港行きバスはこちらから出発するのですか」
「そうですよ、お名前は?あれ!予約していませんね。3日前までに予約しないと利用できませんよ。」
「すいません」
「たまたま、1人予約しているのでバスは運行しますけど、もしいなければ利用できませんでしたよ。次はかならず予約してくださいね」
さっきは友人のように話してくれた窓口の女性は、一転して友人を叱るようにバス予約の徹底を繰り返しました。お客だろうが誰だろうが、単刀直入。これも北海道です。
それにしても、道の駅とスキー場が併設されているなんて知りませんでした。とってもおしゃれ!! ぜひ行こうと決めました。
しかし、次のバス出発時刻まであと2時間近くあります。せっかくだから、やっぱり街を歩こう。外気温マイナス10度以下に怯んでいましたが、踏ん切りがつきました。
とても楽しい遠軽町の街歩きがようやく始まります。=次に続きます

