
米、ジャガイモ 日本の食を誰が守るのか 高市政権は米国に抗せず農家を翻弄
日本の食を支える生産農家が翻弄されています。その根源は高市政権が農業の現場を見ず、トランプ米大統領の高圧的な要求に丸呑みしていること。2017年の第1期政権時から「米国の農産物を買うべきだ」と唱えていましたが、2025年の第2期政権からはさらに突っ込んで農業の市場開放を迫っています。
トランプ大統領は農産物購入を迫る
9月2日、北海道のジャガイモ農家から「容認できない」と反発の声が上がりました。農林水産省は国が検討する米国産の生ジャガイモの輸入解禁について、日本最大のジャガイモ産地である帯広市で説明会を開催しました。生産者や自治体の関係者ら約340人が出席。農水省は、リスク管理が必要な21種の病害虫を特定したことなどが説明しましたが、地元の農協組合長から「絶対、認めるわけにはいかない。農業者の単なるエゴではなく、それだけのリスクが存在する」との意見が出たそうです。
発端はトランプ大統領が第1期政権時の2020年に一般流通用の輸入解禁を要請。米国産ジャガイモは2006年からポテトチップス加工用が限定的に解禁されていましたが、 トランプ大統領が農産物の輸出拡大策を具体化するうえでジャガイモを重要品目に指定し、日本への市場開放圧力を強めてきました。
日本政府は、日米の関税交渉や外交政策の観点から農産物の輸入拡大を「政治カード」と考えて要求に答える妥協を想定していますが、日本の食を政治カードにされてはたまりません。ジャガイモを一例に考えても、帯広市など北海道東部で生産されるジャガイモは日本の食に不可欠なカレーやサラダ、そして高い人気を集める「ポテトチップス」などスナック菓子となる重要な農産物です。
病害虫の影響はポテトチップスにも
仮に病害虫が流行してまったら、農家はもちろん、消費者にも大きな被害をもたらします。被害の甚大さは鳥インフルエンザで多数の殺処分が発生、鶏卵などが高騰した経験を思い出せば、すぐにわかります
政府が日本の食を「政治カード」と捉え、腰が定まらない姿勢に終始する悪弊は「令和の米騒動」でも実感しています。2025年、トランプ大統領が突然、ぶち上げた相互関税措置を巡る交渉で、米国産のコメの輸入拡大案を示す方向で検討に入ったことがあります。
日本にとって最優先する課題は基幹産業である自動車に対する追加関税見直し。トランプ大統領が問題視するコメで踏み込んだ案を提示し、なんとか自動車などの追加関税を軽減したと考えたのです。
「政治カード」として利用しているぐらいですから、稲作農家への対策は蔑ろになっています。政府は国産米の品不足が続いており、米国産米の輸入拡大はトランプ大統領の不満に答える有効なカードになると考えていましたが、その日本国内の米需給をどう安定させるかの政策立案を忘れていました。
米は関税交渉の政治カード
そのツケは「令和の米騒動」で十分に経験済み。品不足から米価格は高騰し、スーパーなど店頭から米が消えます。農水省はお米券と呼ぶ商品券を発行するなど目先の対応策を打ち出しますが、可及的速やかに改革すべき稲作農家に対する政策は後回し。
当然、稲作の生産現場は混乱します。2025年は政府が備蓄米大量放出しましたが、品薄と高騰は止まりません。農協は翌年の米需給を睨み、新米を確保するため、買付価格を大幅に引き上げます。稲作農家はただでさえ生産コスト増に苦しむ窮地に立つだけに、飼料米などの作付け面積を減らし、収益が高い主食用米の作付け面積を増やします。
一転、2026年は米余りと価格下落へ。新米の収穫も豊作が見込まれることから、米の民間在庫が過去最大に膨らみ、価格が暴落する懸念が強まりました。
「米余りと価格下落」あるいは「米不足と高騰」。この悪循環を解消する根本的な政策は何も決まっていません。
高市政権は日本の食を支える農政が足元から揺らいでいる苦境を理解しているのでしょうか。
政権は見て見ぬフリ
あえて深刻に受け止めないフリをしているようにも見えます。
日本経済の基本である金融、財政をみてください。米国のベッセント財務長官が高市首相が掲げる「責任ある積極財政」を鼻から否定し、日本の金融・財政政策に対する不満を片山財務相に2時間以上もぶちまけても、片山財務相は「一方的な要求はなかった」とスルーし、見て見ぬフリを貫きます。
高市首相にトランプ政権と争う構えはありません。
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