• ZERO management
  • カーボンニュートラルをZEROから考えます。

ホンダが消える35 N-BOXと大谷翔平 MVPが頑張っても優勝も未来も見えない

 ホンダの軽自動車「N-BOX」が快進撃しています。2023年10月にフルモデルチェンジした3代目は先行予約で1万7000台を超え、受注残は2万台を超えているかもしれません。なにしろ軽では8年連続、1000CC以上の登録車を含めても2年連続でトップに君臨する最強の名車です。ただ、N-BOX以外のホンダ車に元気がありません。まるで米大リーグのエンゼルスのよう。大谷翔平1人がMV Pと評される活躍を続けても、ワールドシリーズは遥か遠くの存在。75周年を迎えたホンダの未来も見えません。

全面改良前でも販売は快走

 N-BOXが今年に入っても8年連続1位の勢いを守っています。前回のフルモデルチェンジから6年が過ぎているにもかかわらず、2023年上期(1ー6月)の販売台数は11万2248台。前年の2022年が20万2197台ですから、前年実績を上回る勢いを堅持しています。商品力の強さに感服します。軽といえども決して安い車じゃありません。今回の3代目はいろいろ装備すれば300万円台に迫ります。軽自動車で、ですよ!。軽乗用車最大級の室内空間やデザインに加え、標準装備とした先進の安全運転支援システムなどが評価されています。

 もっとも、2023年上半期の国内販売は2年連続のマイナス。28万2007台(前年同期実績比3・0%減)でした。軽自動車は15万8110台(0・5%増)と微増を確保しましたが、1000CC以上の登録車は12万3897台(7・1%減)と4年連続して減少しています。

その強さがホンダの脆弱さを炙り出す

 販売実績を詳細に見ると、N-BOXの輝きよりもホンダが長年抱える新車戦略の影が浮き彫りになり、不安を覚えます。日本自動車販売協会連合会によると、ホンダの登録車で最も売れている「フリード」が0・7%減、続いて人気が高い「ヴェゼル」も4・5%減。「フィットは1・2%増と持ち直していますが、これまでの数字が低い水準でした。急増しているのは「ステップワゴン」の28・7%増。ほぼ一年前の2022年5月にフルモデルチェンジしていますから、前年同期を上回るのは当然です。

 軽自動車の動向も首を傾げます。は、全国軽自動車協会連合会によると、「N-BOX」はが8・0%増と気を吐いていますが、「N-WGN」が10・9%減、「N-ONE」が12・7%減と2桁台の落ち込みです。フルモデルチェンジ寸前のN-BOXはホンダにとって数少ないヒット車ですから、「もうすぐモデルチェンジですから、割安にしておきます」というセールストークが囁かれたのでしょうか。他の軽販売を抑え、N-BOXの販売の数字を押し上げた可能性もあります。お客にとっても、モデル末期車はお買い得です。初期故障などが出尽くしているので、「値段が安く、購入した後も故障がなく乗り回せる」と自動車メーカーの広報が異口同音で話すぐらいですから。

MLBのエンゼルスを彷彿

 N-BOXを軸にホンダ全体の四輪車販売台数を鳥瞰すると、驚く風景が炙り出てきます。N-BOXの販売比率は2022年に全体の35%を超え、2023年6月時点でほぼ40%に達しています。2022年度の国内販売は4年連続してマイナスを記録しており、とりわけ登録車は6年連続のマイナス。軽は4年ぶりにプラスに転じましたが、万が一にもN-BOXの販売が不振に陥ったら、国内販売は目を覆うばかりの風景になるのかも。

 思わず米大リーグのロサンゼルス・エンゼルスと重ね合わせてしまいます。トラウト、大谷翔平という最高の野球選手を抱えながら、プレーオフに9年連続で出場できていません。いくら大谷翔平が投打でMVP級の活躍をしたとしても、野球は1人じゃできませんし、勝てません。

 N-BOXが最強のクルマだとしても、ホンダは沈んだまま。幸運なのはN-BOXが大谷翔平のようにフリーエージェント(FA)を行使して違う自動車メーカーに移ることはありません。でも、大谷翔平がエンゼルスに残留したとしても、エンゼルスが当面、優勝するとは思えないなあ。

関連記事一覧

PAGE TOP