戦闘機の遺跡

赤根ICC所長を守らない高市首相 日本を本当に守ってくれるのかな〜

 誰もが不安を覚えたのではないでしょうか。「高市首相は日本国民を本当に守ってくれるのか?」

赤根所長の資産を凍結

 米国のトランプ政権は国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らを制裁対象に加えると発表しました。赤根氏は米国内で保有する資産が凍結されるほか、米国への入国も原則禁止される。ICCは米国やイスラエルなどの戦争犯罪を追及しており、ルビオ国務長官は「ICCは、悪意をもって権限を乱用している」と主張し、ICCへの圧力を正当化しました。

 なんとも見当違いな話です。ICCは個人の戦争犯罪などを追及する常設機関で、赤根氏は2024年3月から日本人初の所長を務めています。米国、中国、ロシアなどは加盟していませんが、125の国・地域が加盟。ICCが下す判断は検察官、裁判官らの正式な司法手続きを経ており、米国が赤根氏ら個人を制裁するのは法律のABCを無視する不法行為です。

高市首相は「大変残念」

 情けないのは日本政府の反応。高市首相は赤根氏への制裁について「大変残念」と述べただけ。訪米時にトランプ大統領に抱きついて媚を売る姿勢には呆れましたが、高市流の外交とあえて勘違いすることにしました。

 しかし、赤根氏への個人的な制裁は、高市首相の作り笑いで納得できる話ではありません。

 首相の最大の使命は日本国民を守ることです。それが米国の不法な圧力というか恫喝を前に「大変残念」の弁は日本国民を守る首相から出る言葉ではありません。憲法第9条を掲げる日本です。世界の平和を維持するためには武力に頼らず、法律を駆使して交渉するのが本筋です。法の支配を否定する不法行為に対しては、断固反対するのが日本の首相の役目です。

 しかも、赤根氏を送り出した日本はICC最大の分担金拠出国であり、加盟国の信任手続きによって赤根氏の所長就任は決まりました。「赤根氏の職務遂行を守る」となぜ断言できないのでしょうか。

 昨年の就任直後に繰り出した台湾有事に関する歯切れの良い発言とは真逆です。相互関税など訳のわからない貿易政策でも、高市首相は米国に対して曖昧模糊な対応に終始しました。

 トランプ関税の不当性を真っ向から批判せず、米国に日本円で87兆円という巨額投資して政治決着したフリをしていますが、冷静に眺めれば日本にとって大きな不利益を負わせたのと同じです。

媚を売る外交では守れない

 高市首相は安倍晋三元首相を仰ぎ見ながら、トランプ大統領と交渉しているつもりかもしれません。しかし、自国民を守らない首相を信頼することはできません。

 もっとも、日本政府が国民を守らないのは、日本外交の伝統です。硫黄島を思い出してください。第二次世界大戦で2万人以上の兵隊が死亡しましたが、今も1万人以上の遺骨が帰国していません。南太平洋の激戦地であるパプア・ニューギニアなどを取材で回りしましたが、死亡した日本兵の大半は病死や飢餓で命を失っています。

 パプア・ニューギニアの玉砕攻撃を経験した水木しげるさんは「戦争を礼賛する人間は、死なない場所にいる」と指摘したそうです。

 高市政権は愛国心を訴え、日本を守るために防衛費を大幅に増額しようとしています。猛烈な勢いで軍事力を拡大する中国が念頭にありますが、本当に守ってくれるのでしょうか? ICCの所長1人も守れない首相に期待できるのでしょうか?

関連記事一覧