本物の柳葉魚と焼燗

賃金はなぜ上がらないのか 日本の資本主義は清貧か貧困か 変革への欲望は欲しい

 物価が上昇しています。連日、食料品などの値上げが伝えられ、物価の優等生と称賛されたもやしも緑豆を栽培する暖房に使用する燃料費の高騰を理由にスーパーなどと価格交渉を開始したそうです。もう一つの優等生といわれた卵は昨年から値上がりしており、コロナ禍なのか創業家内の争いなのか理由は定かではありませんが、たまご最大手のイセ食品が経営に行き詰まり、会社更生法の開始決定が出る事態に追い込まれたのには驚きました。卵相場も混乱するのではと心配です。様々な要因が重なりなっているとはいえ、コモディティといわれる商品相場が根底から地殻変動しているようです。

値上げラッシュが止まらない

 ここ数年、中国など新興国を中心に海外各国が石油や天然ガスと同様、積極的に穀物、水産資源など食糧を買い集める大きなうねりが広がっていました。日本経済の衰退を反映してか、国際商品市場で日本が中国やインドなど新興勢力に買い負けるする事例が相次いでいます。そこにロシアのよるウクライナ侵攻など世界の政治・経済の激変が加わります。

 日本経済の屋台骨が大打撃を受け、軋み始めています。その象徴は円安の加速です。2021年後半から円安傾向が顕著に現れ、2022年に入ってアクセルが踏まれます。3月28日には6年7ヶ月ぶりに1ドル125円台に届きました。

 世界の中央銀行は経済がインフレに突入する予兆を確信し、これまでの金融緩和政策を転換、金利引き上げに舵を切っていました。米国のFRBは予想より早く利上げを表明。資金の潮目は一気に明確になりました。日本の長期金利も上昇し始めます。

 金融緩和の継続を表明したばかりの日銀は3月28日、指定した利回りで無制限に国債を買う「指し値オペ」を3日間連続して実施すると発表。大きな石が外国為替の池に投げ込まれたように一気に円安が進行しました。当然ながら日米の金利は開きます。通貨は金利の高い方に動きやすいですから、ドルに対する日本円の価値は下がります。円安の加速です。

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