
富裕層は含み笑い?消費減税で円安、利上げが加速、プチ資産効果を享受
富裕層のみなさんが思わず含む笑いを堪える姿が目に浮かびます。高市首相が推し進める食料品の消費減税は、どう考えても富裕層の資産を増やす効果に直結します。
本来は低中所得層の救済
本来の狙いは低中所得者に恩恵にひろがるはずでした。ところが、消費減税を引き金に利上げ、円安が加速する結果、図らずも富裕層が濡れ手に粟とも言える想定外の恩恵を享受する金融環境になりそうです。
富裕層の資産構成は個人の資産規模、資産運用の考え方によって差異がありますが、ポートフォリオの比率はともかく国内外の株式、現預金、債券、不動産が主になります。
まず不動産は相変わらず右肩上がりの上昇基調を続けており、心配無用。株式は年内に日経平均8万円台、いや9万円という超強気の声すら出ていますが、激しい売り買いが錯綜しており、先行きは楽観できません。ただ、自身を相場師と勘違いせずに株式運用していれば、ここ2年間の高騰を追い風に配当、利益は確保できているはず。
不安は債券投資でしょうか。財政状況の不安を先取りする債券の金利上昇は債券暴落を招いています。日銀の次の利上げを織り込み、8月18日には債券市場で10年物国債の利回りが2・945%に上昇、1996年9月以来30年ぶりの高水準に達しました。債券暴落を予想して早くから対応して、痛みを最小限に抑えている人はいるはずです。
ネット銀の金利は2%に近く
なんといっても、現預金は安心感が漂っています。銀行の預金金利をみてください。昨年から日銀の利上げを想定して上昇し続けています。メガバンクの金利は1年もので0・5%ですが、ソニー銀行はすでに1・25%を設定しています。日銀が年内に2回利上げすればソニー銀行などネット銀行の金利は一段と高くなり、来年には2%が見えてきます。
外貨預金と比べてください。ソニー銀行の場合、米国の1年ものは3・43%、ユーロは2・03%ですから、日本の金利は着実に欧米水準に迫っていきます。富裕層は株式や債券と同様、現預金も外貨預金として米ドル、欧州ユーロに振り分けているでしょうから、これまで金利ゼロに我慢していた日本円が2%に迫る金利になれば、結構うれしいはずです。
しかも、円安はドル、ユーロそろって進行しています。日本より高い金利で運用した外貨預金を円に換金すれば金利以上の利回りを手にできます。現預金で日本と外貨で2%程度の利息を手にできるでしょう。仮に5000万円を預金していれば、100万円程度の利息が手に入ります。
富裕層の投資利回りは平均5%だそうです。他人の財布を詮索するのは大変失礼ですが、巨額資金が必要な不動産投資を別にしても株式投資では十分に利益を稼ぎ、現預金で確実に2%台の利回りを確保していれば、債券は目減りにヒヤヒヤしても泣きたくなる気持ちにはならないでしょう。
改めて金融環境を確認してみます。日銀の利上げは消費減税するかどうかにかかわらず確実視されており、10月までに0・25%を決定した後も.年内あと1回あるとの予想が広がっています。
円安も止まりません。高市政権の誕生前から進行する歴史的円安は7月には39年ぶりの163円台となっていました。7月末、日米は円安を阻止するため、協調介入によって155円台に押し戻しましたが、8月18日には159円台まで売られて、日米の協調介入でも円安の流れを是正できません。円安は日米金利差が主因の一つとされていますが、日銀の相次ぐ利上げが確実視されるなかでも円安が進行しているのですから、止まる見通しはみえません。
消費減税でも低中所得層よりプラス効果
富裕層は食料品の消費減税でもしっかりプラス効果を手にします。年間数万円〜十数万円という金額ですが、恩恵は恩恵です。浮いた資金を投資の目減りを補う次の資産に振り向ければ、帳尻合わせができるのではないでしょうか。
富裕層のみなさんは大笑いはできませんが、ほくそ笑む、いや含み笑いすると思いませんか。

