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水浴びする水牛

ポカラ 激流を吸い込む滝 村上春樹の「世界の終わり」の脱出口に向かう ナマステ④

翌日、川の激流が地中に吸い込まれる滝があると聞きました。地表より下を流れるので地中水というのが正しいのでしょうか。わかりません。ゲストハウスのご主人に聞くと、その滝までは歩いて行けると言います。「この土地でしか見られないよ」と教えてくれました。

歩いて1時間半ぐらいかかるそうです。昨夜、サランコットの丘から戻ってからぐっすりと眠りました。体力は戻っています。ペワ湖畔から離れてみたいという気持ちも湧きます。青空が広がっているから行ってみようと決めました。

川の流れが地中に消える泉がある

知らない土地を歩くのは楽しい。ネパールは治安が良いですし、ローカルフードに慣れているので食事もドリンクも問題ない。「どんな水源なんだろう」とワクワクしながらスタートを切りました。後で思い知るのですが、帽子をかぶるのを忘れたことが最大の失敗でした。

その日は穏やかな天候です。暑くもない、寒くもない。日差しは強いですが、眩しいほどでもない。カトマンズより楽。甘く見ました。目に見えない紫外線は予想以上に強かったのです。道中、紫外線の強さに気づくのですが、その恐ろしさ結果を知るのはその日の夕方でした。

ゲストハウスの若いご主人に道のりを確かめて歩き始めます。「目の前の大きな道を頼りに進み、途中の街で滝の場所を聞けばたどり着ける。大丈夫」。まあ、迷うほど込み入った道順とは思っていませんから、「そう」と気軽に受け流します。歩いて15分ほど過ぎると、ちょっと洒落た西洋風のカフェがありました。

「ラッシーかチャイを飲もう」。テラスに座って湖畔の方向を眺めると、ホタルの渦を巻かれてクリスマスツリーのように輝いた大木が見えます。「ああ、この辺だったんだあ」とあの光のページェントと呼ぶにふさわしい光景を思い出します。

美少女が知らぬ間に隣に

ポカラの美少女

ポカラの美少女

すると、隣にスルスルと少女が近づいて座ります。こちらを見て、ニコッとします。顔立ちがエキゾチックで、一瞬大人びた目の輝きを見せます。ちょっとゾクッ。思わず「写真を撮っても良い?」と聞くと、再びニコッと笑ってくれました。写真を撮ってもらいたかったようです。

カトマンズでもそうですが、街を歩いていると子供たちがわっと寄ってきます。お金か何かを欲しいというよりも、写真を撮ってもらうのが面白いらしいのです。日本でもテレビや映画の撮影があると、今でも大人も子供も集まります。同じです。ネパールの子供たちにとって写真撮影が非日常の体験なのです。

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